編集室より

バナナからつくられる紙のことが最近話題になっていますが、2001年学研から出版された『ミラクル バナナ』という絵本は、バナナの茎の繊維を利用してつくられた紙でできており、かこさとしは文章を提供しています。

この本は、日本のODA(草の根無償資金協力)によりハイチ大学で実施したバナナ紙製造セミナーがきっかけとなり、ハイチやジャマイカの大使館、日本の大学や和紙職人らによるバナナ・ペーパー・プロジェクトの一つとして生まれたものです。

ハイチの人たちによる作と絵を元に日本語の文章をかこが担当、帯にはこうあります。

バナナのかみでできた絵本

(引用はじめ)
バナナといえば、おいしいくだものや、甘い香りのキャンディだけではありません。バナナから、きれいな紙ができるのです。さあ、バナナの絵本のすばらしさをぞんぶんにあじわってください。
加古里子(かこさとし)
(引用おわり)

また、以下のような、あとがきにかわる短いメッセージを書いています。

世界の子どもたちへ

(引用はじめ)
絵本をひらくと、自然の香りがするでしょう。やさしいおいしさに、引きこまれるでしょう。輝く太陽の、色と光につつまれるでしょう。
(引用おわり)