編集室より

「パピプペポーおんがくかい」(2014年偕成社)をご紹介します。上にご覧いただいているのは、その最後の場面です。

2016年9月23日NHK総合テレビ特報首都圏「92歳現役作曲家・大中恩の挑戦」でも紹介されたこの絵本「パピプペポーおんがくかい」は、「にんじんばたけのパピプペポ」(1973年偕成社)の続編として誕生しました。

「にんじんばたけのパピプペポ」のお話はこうです。
草ぼうぼうのはらっぱにすんでいたなまけものの20匹のこぶたが、ある日、大根のようなみかん色の野菜を食べると、すっかり働きものになり、みんなで力を合わせ、はらっぱを耕し立派なにんじん畑をつくるまでになりました。

その上、レンガ造りの劇場まで建てることができ、その劇場で開かれた大きな音楽会が、「パピプペポーおんがくかい」というわけです。

下は「パピプペポーおんがくかい」の前扉。グランドピアノ型の劇場が建っています。

「パピプペポーおんがくかい」あとがき かこさとし

(引用はじめ)

私は柄にもなく若年の頃、演劇など舞台芸術に関心をもっていました。特に各国民族が独自の舞踊や歌劇をもっていることから、それは人間という生物の、性質の一つではないのかと思っていました。そうだとすると、同じ地球のなかまである他の生物にも、そのような性質や力があるのではないかと、ひそかに思い、その発表の機会を待望していました。果して専門家によって鳥類をはじめ、各種生物の「春の踊り」や「足ぶみ行動」や「歌合戦」」などが、次々と報ぜられるようになったので、パパコちゃんたちがつくった〈にんじん劇場〉をかりて、長年の夢を上演したというわけです。

今回はまにあいませんでしたが、次回上演のときは御招待しますので、ぜひおこしください。

あわせて、この本に登場した生物たちの総数は、のべ1408となりましたことをご報告しておきます。ごきげんよう。

(引用おわり)
尚、本文は縦書きで数字も漢数字、全ての漢字にふりがながふってありますが、省略いたしました。