お知らせ

秋の夜長、「グイグイ読めて眠れない!」本を紹介するコーナーで『よわいかみ つよいかたち』(1968年童心社)を取り上げています。小学校低学年でも読めるやさしいながらも深い科学絵本で読んでいると、自分でも実験してみたくなります。
あとがきをお読みください。

あとがき

条件をかえると機能も性質も変る

(引用はじめ)
この本をつくろうと思い立ったわたしの当時のメモによると、次の四点を柱と考えました。
① 容易に細工ができる紙と、それが作る形という、身近なものを対象、題材とすること。
②まったく同じ物質材料が、そのおかれた状態、周囲との関係によって、異なった性質、機能に転化すること。
③表面ではなく、うちにかくされているみえない作用、すなわち、力学など抽象的な姿の片鱗を示すこと。
④手や目をつかい、たしかめるという実験と、その利用実用面を結びつけること。

幸い多くの反響を得ましたが、中には中・高校の理科教材上のご意見や感想、専門的な構造力学の質問などがあり、その都度お答えしてきたものの、それらはいずれも、上記四点以外の事項に関するもので、したがって幼児がたのしみに読んでくださるこの本には、いささか過ぎた荷重と思います。そうした要望には教科書や授業実践など、別途の方法を活用展開する必要があろうと思います。貯金ばこも限界性を示す伏線であることをお忘れなくご利用ください。
かこ・さとし
(引用おわり)