絵本館情報

2017年2月17日、福井県越前市かこさとし ふるさと絵本館のご来館者数が14万人となりました。ちょうど14万人目となったのは地元の親子さんで館長より記念品を差し上げました。

絵本館では、2017年3月20日まで「かっぱとてんぐとかみなりどん」(2014年復刊ドットコム・下の写真)の複製原画を展示しています。だるまちゃん誕生に深くかかわる「てんぐ」と「かみなり」が登場する、かこさとし的要素をたくさん含んだ味わい深い物語と日本画風の絵のタッチが独特です。お見逃しなきようご覧ください。(3月21-22日休館となります。)

2017年3月23日からは、「あかいありとくろいあり」(1973年偕成社)の全場面を展示いたします。春の草花を背景に繰り広げられるアリの世界が目の前に広がります。ご期待ください。

2016年かこさとしが90歳になった記念連載のインタビュー最終回は、生まれ故郷の越前市に2013年4月に開館した越前市ふるさと絵本館石石(らく)のご案内と谷出千代子館長さんのお話です。

http://www.ehonnavi.net/style/156/9/

福井県越前市のかこさとし ふるさと絵本館のご来館者数が2016年12月2日午後に13万人に達しました。13万人目は、ちょうどこの日満9ヶ月になった赤ちゃんとお母さん。他8名の皆様にも記念品として発売間もない「かこさとし からだのほん すごろく」(2016年童心社)をプレゼントいたしました。
館内はクリスマスの飾り付けでひときわ華やかです。是非ご来館ください。

かこ作品の中でも最も古い時代に属する「かっぱとてんぐとかみなりどん」(2014年復刊ドットコム)の全19場面と表紙・裏表紙を展示いたします。

登場するのは題名そして表紙の絵にある通りの面々と裏表紙に描かれたとうべいと息子のとうへいです。昔むかし、かっぱとてんぐとかみなりどんに難題をふっかけられ困り果てたとうべいを息子の機知が救います。

著者のあとがきをご紹介します。

(引用はじめ)
この物語は昭和30年、子ども会でおこなった〈素話〉がもとになっています。その後、手描きの紙芝居を作り、のちに童心社から、印刷、市販するに至りました。その筋は、昔話や「吉四六(きっちょむ)さん」「曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)」や「一休さん」に見られるとんち話、ちえ話の系列ですけれど、そうした話を、たんに「うまいことをしておもしろいな」で終わらせたのでは、いちばん大事な点がぬけたように考えます。

私たちふつうの人間、庶民は、なんとかその日その日を平穏におくりたい、家族が無事であればと思っているものです。その力もよわく、小心でささやかな人間が、時にまなじりとさいて何かをめざし、がんばり、執念をもつには、それなりの強い理由、たちあがらずにはおられなかった怒りや苦しみや呪いといったものが、その裏に必ずあるのだ、その人の心の中に渦まいていたのだということをぬきにしたのでは、それは意味のない「うそつき話」や「わらい話」となってしまいます。
この本を読んでくださる方が、もし、いわれのない不当な苦しさをしいられ、つらさの底におとされた時、どうするか、どう考え、行動しなければならないかを、この本でーーーこのシリーズの中で問いかけたいと思ってかきました。楽しい面白さに秘めた呪いの話であり、おどろな人間の怨念のものがたりです。
かこさとし
(引用終わり)

あとがきにもありますが、正確な時期は以下の通りです。

1955年にセツルメント活動で素話
1959年に手描き紙芝居をセツルメントで演じる
1960年紙芝居「てんぐとかっぱとかみなりどん」として童心社より出版。ただし、画はかこさとしでではない。
1978年絵本「かっぱとてんぐとかみなりどん」(かこさとし作・画)が童心社より刊行される。2014年上記を底本に復刊ドットコムより復刊。

お気づきのように、紙芝居の題名は「てんぐ」で始まっています。加古は当時から「てんぐ」を主人公にした物語を書けないかと探っていたのです。そしてうまれたのが主人公をだるまちゃんに譲り、てんぐちゃんが相手役となる「だるまちゃんとてんぐちゃん」(1967年福音館)でした。

そのことは、前扉と後扉の絵をご覧いただくとおわかりになることでしょう。
前扉にはてんぐのうちわ、後扉にはてんぐの履き物一本歯の下駄にからすが描かれていて、その後の加古の作品を予見させるようです。

上は前扉、てんぐのうちわ。
下は、あとがきに添えられたたてんぐの下駄。からすがいることで、この絵の表情・表現が物語の最後を余韻をもたせ締めくくる大きな役割を果たしています。

いよいよ来年はだるまちゃん誕生50周年を迎えます。
それにちなみ、だるまちゃんにつながる本作品を一足先に展示いたします。題字とともに絵の独特のタッチをお楽しみください。

尚、絵本館は展示替えのため11月16日は休館となります。

かこさとしのふるさと越前市たけふ菊人形展が絵本館近くで開催されています。9月に新たに整備されたエントランスには「からすのパンやさん」でお馴染の場面が紙芝居舞台の形の掲示板でご覧いただけます。菊人形展ではかこさとしのご紹介パネルもあります。空気もきれいで清々しい菊花かおる展示を存分にお楽しみください。

連休最後の9月19日午前中に絵本館に12万人目となる方が来館されました。大阪からグループでお越しの方でした。続いて来館された9名の皆様と共に谷出千代子館長より記念品が贈呈されました。

以下にも越前市による画像情報があります。

http://www.city.echizen.lg.jp/office/090/050/kakosatosi/otanjoubiibent.html

「大地のめぐみ 土の力大作戦」に続く展示はアフリカ大陸を舞台にたくさんの動物が登場する「サザンちゃんのおともだち」(1973年偕成社)です。
特に最近隠れた人気を得ているこの絵本は、著者がセツルメント活動をしていた30代に創作した作品がもとになっています。日本とは異なる気候帯の大地にすむ少年と動物の楽しい交流、勉強が身につくコツもわかる、ちょっとためになる物語。この本をきっかけにアフリカの大地、人びとの暮らしや歴史そして動植物に目を向けていただければ幸いです。

あとがき かこさとし

あとがきを記します。
(引用はじめ)

動物たちと歌とたべものが何らかの形で登場するーーーと、指摘してくださった目ざとい方がおられました。まるで、私の好きなものを見すかされてしまったというところですが、その大好きな動物たちにたくさんでてもらうために、場所をアフリカに求めた作品のひとつが、この「サザンちゃん」のおはなしです。

その頃の私は、若気のせいか、どうもそれまで有色人を題材にして描かれた白人の作品に不満をもち、いわば"アフリカ人によるアフリカ"にとりつかれていました。その私のアフリカ研究(?)時代に、子ども会でつくられたものがこの「サザンちゃん」のおはなしのもとになりました。

このおはなしは、童話や文学ではなくて、どうしても『絵本』でなければなりませんでしたし、その絵もマンガ風や抽象的な描写ではまずいので、できるだけ〈真実性〉を伴うため、このたびはいろいろな本をお借りしたり、図書館に通ったりしてアフリカのようすをしらべました。

とびら絵にかいてある妙な大木は、白人たちが、"上が根っこの木"と名づけたといわれるバオバブというアフリカ特産の木です。その他表紙のうらや、本の中にでてくる動物たちも、ほとんどアフリカ特産のものですので、図鑑などでいろいろとその習性をしらべていただくのもよいかと思います。
(引用終わり)

上は、見開きです。アフリカの大地をイメージした茶色に植物、動物のシルエットがうかんでいますが、原画はどんなものだと思いますか。

ふるさと絵本館では全ページの絵とともに表紙、裏表紙、扉絵、見返しも展示しています。(2016年9月1・2日は展示替えのため休館。毎週火曜日は休館です)

かこさとしが化学会社で勤務していた30代の頃に研究していた土壌改良。以来、著者は「迫り来る地球規模の危機と未来の問題に関心をもってほしいとの願い」(あとがきより) からこの問題を追求し、2003年に本作を小峰書店より出版しました。

この問題に警鈴をならすべくユネスコが2015年を国際土壌年と制定しました。

私たち人間をはじめ地球上の生物を支える大地は、かけがえのないものです。土はどこにでもある、というわけではなく豊かな土壌を得るには長大な年月が必要なのです。

かこが模写するミレーの絵を介し、培かわれてきた肥沃な土壌の大切さとその土壌が失われつつあることをこの科学絵本は、わかりやすく説明し大地をよみがえらせる大作戦を、今こそ私たちが展開する必要を訴えています。

「大地のめぐみ 土の力大作戦」(小峰書店)の全場面と表紙の複製原画を越前市かこさとし ふるさと絵本館にて展示しています。
期間:2016年6月30日(木)より8月31日(水)まで
休館日:火曜日

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