お知らせ

子どもの本を作り続けた かこさとしさんの世界(小学生版)

かこさとし 本の世界(中・高生版)

全国学校図書館協議会発行の2018年11月号(第344号)はかこさとし特集で上記のタイトルです。
小学生、中学生・高校生のいらっしゃる方は、是非お子さんに学校の図書館で写真ニュース(壁新聞)をご覧になるよう言葉をかけていただけたら幸いです。

かこさとしの作品紹介、年譜、生まれ故郷の福井県越前市にある、かこさとし ふるさと絵本館の紹介もあります。また、別刷りの通信(上の写真でピンクや緑のもの)には絵本館館長による、かこさとしや絵本館についての詳しいご案内もあります。

かこさとしが亡くなる直前まで推敲し続けていた絵本『みずとは なんじゃ?』がいよいよ2018年11月11日に小峰書店より刊行されます。(この日付は本の奥付けにある日にちですので、早ければ8日ごろに書店に並ぶ予定です。)

2018年6月放映のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀 」でその打ち合わせ風景が紹介されたこともあり、かこさとしが最後に手掛けたこの絵本は出版前から多くの皆さまに興味を持っていただきました。残念ながら加古には絵を描く体力が残っておらず、鈴木まもるさんに下絵をご覧いただき完成を託すこととなりました。

番組で話していたように、加古の下絵はあくまで加古の構想で、鈴木まもるさん流に描いて下さいと加古からお願いいたしました。

鈴木まもるさんは、今一度、加古の絵本を研究、下絵に込められた意図を探り、かつて加古が著してきた世界を盛り込みながら、私たちの身近にある水について、その特徴・特性と重要性を小さなお子さんたちにも気づいてほしいという加古の願いを伝えるべく、隅々に至るまで心をくだき描き込んで下さいました。

この本を囲んで、水に代表される地球の自然、環境などについてたくさんの会話が生まれることを心から願っております。と言うのも、水は加古が長年興味を持ち続けていたテーマで、若い頃から水の特異性、重要性に関しての著作を試みてきましたが、なかなか出版の機会がなく、ついに絵本での著作が最後の作品となってしまいました。

そんな加古の水に寄せる思いや水にまつわる逸話と、本作が生まれるまでの経過をまとめた小冊子(下)が初版のみに付録としてついてきます。加古の書き文字や下絵、制作過程がわかる貴重な資料でもあります。是非、絵本と合わせてお読み下さい。

60年近くにわたる執筆活動の中で、福音館書店月刊「かがくのとも」創刊初期の頃から登場した6冊の本が、「かこさとしのかがくの世界 あそびとくらし絵本セット」として出版されました。セットのみ、だるまちゃんの絵入りメッセージ色紙付きです。

刊行当時は、月刊「かがくのとも」はソフトカバーでしたが、今回はハードカバーでの登場です。

6冊とは、『でんとうがつくまで』(1970年)、『ごむのじっけん』(1971年)、『だんめんず』( 1973年)、 『たこ』(1975年)、『いろいろおにあそび』(1999年)、『わたしもいれて』(2001年)で、30年余りという長い期間にわたって出版されたものです。

『でんとうがつくまで』の頃はまだオール電化など夢のまた夢の時代で、多くの家ではまだ蛍光灯とともに電球が使われていました。『ごむのじっけん』とほぼ同時期ですが、大型スーパーマーケットは数少なく肉や魚は小売店で買ったものです。そんな時の包装は経木にのせて、紙で包み、最後に輪ゴムでパチンととめていました。『だんめんず』は『だいこんだんめん れんこんざんねん』の原型といえる絵本です。

『たこ』にある凧揚げは加古の幼い頃からの大のお気に入り。『いろいろおにあそび』『わたしもいれて』は外遊びをぜひしてほしいという願いを込め2作品です。それぞれの本には、折り込み付録の小冊子があり、著者の言葉がありました。今回のセットには残念ながらありませんので、当サイト「あとがきから」コーナーで1作品づつご紹介する予定です。