編集室より

作者のことば

ガイコツを見ると怖くて仕方がなかった子どもの頃を思い出します。この作品は絵本ではなく紙芝居で、あとがきにかえ「作者のことば」がありますのでご紹介します。

(引用はじめ)
私たちのまわりには、いろいろな生物がいますが、大きく分けると背骨のない無脊椎動物と、背骨のある脊椎動物となります。それは生物の進化の、38億年だの跡を示し、その時代の環境下で生きるための、それぞれの祖先の名残だそうです。人間もそうした背骨のある生き物の1種ですから、その背骨がどんな役割をしていて、内臓や筋力を守り、それらと共に体をつくり、複雑な動きや運動を支えていることをこの紙芝居で教えてあげてください。

そしてそれぞれに子の発達や体質に合った練習や遊びよって「背骨のある体」を正しい姿勢に保ち、巧みに使えるよう、せっかく食物や住まいがよい時代になったのですから、ぜひはげまし導いていただくよう、期待をしています。
かこさとし
(引用おわり)

骨に興味を持っていただける絵本としては、低年齢のかた向け『ほねはおれます くだけます』(1977年童心社・下の写真)があります。

また、展示会情報にありますように福井県ふるさと文学館では2017年7月15日から9月18日まで「医と文学 -杉田玄白から かこさとし、山崎光夫まで-」を開催。『ほねはおれますくだけます』の複製原画や『人間』(1995年福音館書店)の人体血管図などを「解体新書」と合わせてご覧いただけます。一番身近な自然である自分の身体に目を向けてみてはいかがでしょうか。