編集室より

絵描き遊びの代表といえば、「へのへのもへじ」。「へへののもへじ」という言い方もあります。「じ」と言いながら「し」と書く場合もあり、そのバリエーションだけでも40種類あると、この本では例をあげて紹介しています。

また、「の」の代わりに「め」を書いたり、さらに「へ」のかわり「こ」にして「こめこめ」で始まるなどその多様さは眼を見張るばかり。50年間全国各地で収集した10万以上の資料を整理、分析、考察して600ページ近くあるこの本の最後で著者は「子ども」「図形遊び」「伝承遊び」という3つのキーワードにたどり着きます。

掲載されている無数の図形を見ながら、かこさとしの考察過程をたどる面白さは格別です。その図形を全部網羅した著者の資料を2018年1月27日から2月6日まで開催の「たかさき絵本フェスティバル」で展示します。圧巻の多様さこそが、子どもの力を現しています。是非ご覧下さい。