編集室より

子どもたちの成長にとって、遊びはなくてはならないものであると、加古はさまざまの機会に伝えその大切さを詳細に述べています。

大人向けの著作では、『未来のだるまちゃんへ』の姉妹編『だるまちゃんの思い出 遊びの四季』(いずれも文春文庫)や、『伝承遊び考』四巻(小峰書店)等がありますが、『日本の子どもの遊び 上・下』の二巻(1979・1980年青木書店)は特に教育関係者に向け、様々な遊びが子どもの発達に果たしてきた重要な役割を平易に解き明かし、教科との関連にも触れて、広い視野に立つ具体的な提案を盛り込んだ渾身の著作です。

いっぽう、子どもには言葉で説くのではなく絵本でその楽しさを自ら体験、発展させることを願って多くの本を執筆しています。

非常に小さいお子さん向けの『あそびずかん』4巻(小峰書店)や『かこさとしあそびの本』全5冊(復刊ドットコム)もありますし、『あそびの大宇宙』『あそびの大惑星』『あそびの大星雲』はそれぞれ10巻ずつのシリーズです。

今回は『あそびの大惑星1 たいこドン ふえピッピのあそび』(1991年農文協)のあとがきをご紹介します。

ときめきひびく 生命のために

(引用はじめ)
あそびの大惑星シリーズの第1冊目は音、声、楽器や音響合唱などの巻です。将来カラオケ族やCDマニアにするためではありません。もちろん落着きのないニギヤカ人や静かさを騒音爆音でかき乱すヤカマシ子どもの手伝けをするのではありません。声を出す事や音に感じる事は、心臓のときめきや呼吸のリズム、即ち生きている事と連っているからです。子どもという生命に輝く生物の為に、音や声をききあい、ひびきあう感覚世界のこのあそびの巻を送ります。
(引用おわり)