編集室より

上の写真は「あなたのおへそ」(1976年童心社)の前扉です。

発行以来長い間皆様に愛読いただいている「かこさとし からだの本」(童心社) 10冊シリーズの第1巻である本作は、現在でも、小さなお子さんたちの体への興味にお答えし、からだの大切さについて知っていただくきっかけとなっていればと著者は願っています。

あとがきをご紹介します。

(引用はじめ)
私は毎日、たくさんのお便りをいただきますが、その中に、どういう風のふきまわしか、私に性教育の本をかくようにという要望があります。

すでに、その種の本が多くだされているのですが、それらは、良い意図や努力にもかかわらず、何かぴったりしない、使う気にならないというらしいのです。私は、とても気が進みませんでした。

しかし、改めてこうした本を読んでみて、「よくまあ」と感心したり、「これほどまで」と感じ入り、ますます気が重くなったのですが、たった一つ、勇気がわいてきました。それは、作る側ががんばりすぎて、かんじんの読む子どもの心理や興味や立場が、ほとんど考えられていないことをみつけたからです。

この本は、その勇気に支えられて、生物の中で哺乳類の一員である人間の姿をえがきつつ、私の考えている「生と性」を知ってほしいと思ってかいたものです。

上は、〈あとがき〉のある後扉のイラストです。