編集室より

かこさとしには二人の孫がいて、男の子なので自らの幼い頃の記憶と重ねつつ一緒に絵を描いたり工作を作って楽しんでいました。そんな中でできたのが本作です。

加古がかつて飛行機に夢中になったように、この物語の「たっくん ひろちゃん」は電車が大好きのようです。前扉(上)に描かれているのは新幹線のようですが、ちょうちょうが飛んで春ののどかな野原を走っているようです。

見返しはぐっと抑えた色調で「たっくん」は機関車に乗っています。さてさて『たっくん ひろちゃんの ちょうちょうとっきゅう』はどこを走るのでしょうか。
あとがきをご紹介します。

あとがき

(引用はじめ)
この本のもとになったのは、2年前、当時3歳と0歳の2人の孫のために書いた手がきの絵本です。
2人は保育園にお世話になっていて、毎日悪友(?)から、新しい“珍語”をおぼえたり、足をかじられたり(?)して、夕方かえってきます。しかし、非情なふたりゆえ、走りがきの絵本なんか無視されるのではと恐れたものの、その当時の好物を列挙したゆえか、なんとか破かれずに、こうして皆様に見ていただける機会をえて、よろこんでいるところです。

1997年1月 かこ さとし
(引用おわり)