編集室より

今から35年も前の夏、イギリス各地を巡るグループ旅行の途中でひなびた片田舎に立ち寄りました。イギリス人であり、日本で大学の学長をしていた方が案内してくれたのはニュートンが万有引力を発見するきっかけとなった1本のりんごの木でした。あの有名な逸話のりんご木。。。それにしてもこんな田舎だったとは!その意外さに、いぶかしささえ感じ強く印象に残りました。

その地は「ロンドンのきたにあるウールスソープというむら」であると『がくしゃもめをむくあそび』(1992年農文協)にあり、この本では「ニュートンのもんだい」で「リンゴはまっすぐにおちなかった」理由、ニュートンの考え方えをわかりやすい図入りで説明しています。

ニュートンは1642年この地で生まれ、ケンブリッジ大学で学び学位を取得をしようとしていたところ、1665年から1667年にかけてイギリスではペスト(黒死病)が大流行し大学は封鎖、そのため人の少ない生まれ故郷に戻ったのでした。そして素晴らしいのはその避難生活をしていた1年半余の間に、万有引力の法則をはじめ後世にも多大な貢献をすることとなる大きな業績となった発見や証明を成し遂げたのだそうです。

ウイルス禍の中にあって、ペストのことを調べていて知ったニュートンの驚異の諸年(*)と、あの寒村でおぼえた疑問の答えが結びついたのでした。

*わずか1年半ほどの期間にニュートンの主要な業績の発見および証明がなされているため、この期間のことは「驚異の諸年」とも、「創造的休暇」とも呼ばれている。(ウィキペディアより引用)

下の絵はニュートンとは関係ありませんが、だるまちゃんのりんごの木です。『だるまちゃん・りんごんちゃん』(2013年瑞雲舎)より