編集室より

7月23日は海の日ですが、大海原の中、噴火が続く西之島の光景をニュースで見ました。海洋気象観測船「凌風丸」からの映像とのことでした。りょうふうまる、どこかで聞いたような、見覚えがあるような。。。そうです、『海』(1969年福音館書店)のこの場面。

『海』は19場面で構成される大型科学絵本で、これはその第16場面にあたります。巻末にある著者の解説によると「凌風丸は気象庁所属の1、200トンの観測船です」とあり、この本が出版された時期から考えるとこの絵にあるのは現在の凌風丸(3代目)ではなく、1996年に竣工された2代目のようです。

『海』のこの場面をもう少し詳しく見てみると「りょうふうまる」の上空には気象衛星、台風のたまごも描かれ竜巻もおきています。海底には海底地震、海中には地震津波が伝わる様子もあります。凌風丸は台風を含め洋上の空気、海水や海流、海底火山など海底の地形などを長期監視しているとのこと。

西之島では6月中旬からほぼ毎日高さ約2000メートル以上の噴煙が確認され、7月4日には最高の約8300メートルに達し気象庁火山課によると「マグマが大量に上昇している状態」だそうです。

この夏は海の家がない湘南の海岸ですが、はるか海上ではこうしてデータを集めながら航海している船があることを想い、目の前のことばかりが気になる日常から想像の翼を広げる時間を本とともに過ごすことを楽しみたいと改めて感じています。