編集室より

2023/04/27

青い鳥

「青い鳥」といえばまず思いうかぶのはメーテルリンクの童話劇です。チルチルとミチルという幼い兄妹が冒険に満ちた旅の末、幸せは自分たちのすぐ近くにあるということに気づくという筋です。

転じて「幸せ」の代名詞にも使われますが、若い頃から演劇に大変興味のあった加古はこの名作を『こどものカレンダー5月のまき』で絵入りで紹介しています。作者のメーテルリンクが1949年5月6日に亡くなったからです。

『こびととおとぎのくにのあそび』(1991年農文協)には「チルチルとミチル こうふくのとりは?」というクイズまでありますし、『こどもの行事 しぜんと生活5月のまき』には青い鳥が出来上がる折り紙を3種類も紹介しています。

実際の「青い鳥」といえば私たちが思いつくのは、空飛ぶ宝石にたとえられるカワセミでしょうか。『地球』(1975年福音館書店)には緑豊かな高原の水辺で魚を狙う様子がありますし、『あそびずかんなつのまき』(2014年小峰書店)にはカワセミやオオルリが、紹介されています。

絵本の中で登場しているのは『サザンちゃんのおともだち』の前扉です。

バオバブのある大地に飛ぶのはアフリカのムクドリのように見えます。

また、手前には2羽の美しい青い羽根のホロホロ鳥もいます。

サザンちゃんと一緒に勉強したり絵を描いたりするお友達の中にいる鳥はペリカンやフラミンゴで残念ながらこの青い鳥たちはいませんが、それでも前扉に登場させたのは、裏表紙(下)のみに描かれるホオジロカンムリヅル同様、この美しい青い鳥に加古が大きな魅力を感じていたからに違いありません。