編集室より

2022/02/04

4コマ漫画

筆者が10歳にもならない頃、新聞の4コマ漫画がお気に入りで、真っ先にのぞいたものです。そんな私を見て、かこは、切り抜いて張り付けることを提案、小さなノートをかってきてくれました。長谷川町子さんの「サザエさん」が連載されていた1960年代のことです。

新聞と4コマ漫画は切り離せないようで、『だるまちゃんしんぶん』(2016年福音館書店)[はるのごう](上)には文字なしの漫画が登場しています。

絵本の中に4コマ漫画があるのは『行事とあそび こどものカレンダー』(1976年偕成社・上)シリーズです。

各月のまきに女の子の「りぼんちゃん」と男の子の「ぼうしくん」が登場するかわいい漫画があり、4月のまきには「ちょうちょとり」と題して、上にあるような小さな出来事が話題。

4コマ漫画は起承転結の極みですから、かこはその点に大変興味をもっていたのでしょう。川崎でセツルメント活動を始めた頃にガリ版刷りで発行していたこども向けの新聞「ほがらか」(上)にも載っています。

1953年5月10日付「いたずらつるちゃん」と題する4コマでは、「つるちゃん」(下・セツルメントから取られた名前のようです)が、からすにいたずらをしたところ、逆に仕返しをされてしまうというオチ。からすが登場というのもかこらしいです。

この新聞をみた子どもたち自身が、後にガリ版刷りの新聞を発行するようになりますが、そこにも子どもたちによる4コマ漫画がかかれていました。

東京大学教育学部で授業を持っていたときには、学生に課題として4コマ漫画を描かせたことがあったようです。絵の上手下手ではなく、起承転結の構成に着目して評価していたことをつい最近当時の資料を見つけて知りました。

たかが4コマ、されど4コマ。