編集室より

『ねんねしたおばあちゃん』(2005年ポプラ社)

小さな子どもは、だれが世話するのか。コロナ禍にあって、保育園が休園になってしまったり、家庭の中で感染がおきてしまったり、保育に関しても今までとは違う状況が出現しました。

この本が最初に出版されたのは1980(昭和55)年で、周囲の人々との間でおこる子どもの心の動きをとり上げた、当時としてもユニークな「こころのほん」シリーズの第2巻にあたります。

生まれたばかりのタミエちゃんの世話をするおばあちゃんの物語で、成長して活発になっタミエちゃんは、おばあちゃんのてをふりきって遊びに出かけようと家を飛び出した途端に交通事故に合います。おばあちゃんの応急処置の甲斐もあって、タミエちゃんの命に別状はなく、足の怪我の入院から戻ってきたある日、突然おばあちゃんが倒れてしまいます。

「保育のあり方が多様になった今なお、私たちに強く訴えかける」と静岡新聞書評欄で紹介されました。