編集室より

2022年9月12日の交通新聞「墨滴」で紹介されたのは、9月4日までBunkamuraで開催された展示会「かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと」のこと。「作品世界と信念に触れられる充実の展示だった」と振り返る。

かこの絵心が芽生えたのは東京へ転居のため乗っていた東海道線の車窓から見た富士山を上手に描きたいと思った時。

戦争という時代が過ぎ、会社員として働きながら描いた絵画、子ども会のために作った紙芝居、だるまちゃんやからすだけでなく多くの科学絵本も手がけた。

『地下鉄のできるまで』(1987年福音館書店)の緻密な画に注目するのは交通新聞だからという理由だけではなく、かこの「研究者としての素質が存分に発揮されている」とし、「ゆるがせにしてはいけない普遍的な価値を伝えたいとの情熱」に言及した。

冒頭の写真は『過去六年間を顧みて』(2018年偕成社)の元になった手描きの同名画文集より。