編集室より

2026

行事とお話し(3) 節分

投稿日時 2026/01/22

節分・立春については『こどもの行事しぜんと生活2月のまき』に詳しい説明があります

節分の「豆まき」は園やご家庭でされることでしょう。筆者は大人になってからも欠かさず行なっています。

こどもの頃はベッドの上にもまいて、夜寝ながらかじったものです。美味しいというより、いつもとは違うことができる楽しさを味わいました。

そんな節分の夜、豆を拾いにきた子どものお話が『童話集⑤〈日本のむかしばなし〈その2〉』にあります。題して「節分の夜」。

犬が吠えたり、猫が警戒、ネズミがキリキリしますが、その子の様子を聞いて皆拾った豆をあげたり親切にしてくれます。さてこの子はいったいどこからやってきた誰なのでしょう。

このお話しの最後はこうです。
「寒い節分の夜のことです。あすから春がくるという夜のおはなしです。」

この小さなお話しを読んだら、きっとみなさんの心にもほんの少しですが、暖かさが生まれるのではないかと思います。ぜひどうぞ。

いったい誰の手なのでしょうか

「ん」の話

投稿日時 2026/01/16

「ご幸運に恵まれますように!」の願いを込めて「ん」についてです。

しりとり遊びでは「ん」で終わる言葉に注意して遊ぶわけですが、意外と多いものです。いっぽう、「ん」で始まる言葉はそうそう簡単に思いつきません。

ところが、昭和時代の子どもたちが楽しんだ絵描き遊びでは、この「ん」から始まるものがあるのです。それを面白く感じた加古が、なんと絵本の題名にしてしまったのが『んちゃんがまめたべてのあそび』(農文協)で、現在は『遊びの大事典大宇宙編』としてまとめられています。

ご存知のように絵描き遊びでは直線や丸などの線がきや数字、へのへの・・・のようにひらがなも活用しますから、「ん」もこどもたちにとっては使わない手はない、ということなのでしょう。語尾の「ん」も含め、ここぞとばかり見事に「ん」を活用しているのはあっぱれです。

『ありちゃんあいうえお かこさとしの71音』(2019年講談社)には、次のようにあります。

(引用はじめ)
こどもたちのことばの習得は「あいうえお」の順序ではなく、半濁音やマ行の方が先となる。
(引用おわり)

したがって、いわゆるあいうえおと濁音、半濁音の71音で始まる言葉に絵が添えられているのですが、「ん」は次のようです。

五十音図最後の「ん」ですが、カルタではどうなっているでしょうか。
「かこさとし おはなしのほん かるた」(偕成社)では

「とんぼ あめんぼ てんとむし すいれん にんじん あかだいこん」と文章ではなく「ん」がつく言葉が並びますが、残念ながら「ん」で始まる言葉はありません。

『だるまちゃんかるた』(福音館書店)はこうです。
(引用はじめ)
ん、なんだ 
ん、ん、わかった
んとこしょ
(引用おわり)

どの一音もそうですが、「ん」」もその調子や音の長さ、上げ下げでさまざまな感情を伝えられます。「ん」に注目して絵描き遊びやカルタをどうぞお楽しみください。

馬が主人公の紙芝居があるのをご存知でしょうか。
これは実話をもとに1992年全国心身障害児福祉財団のために描き下ろしたもので、全国の施設に寄贈されました。
天然記念物に指定の宮崎県都井岬の馬と地元人々との交流が心にしみる作品です。

『だるまちゃん・りんごんちゃん』(2013年瑞雲舎)は「だるまちゃん」がりんごや人形劇で有名な飯田へ出かけるお話しです。お話の中に人形劇もあるという入れ子構造になっていて、その人形劇で重要な脇役となるのが白馬です。

そして『童話集④日本のむかしばなし〈その1〉』(2023年偕成社)』にも登場します。馬を盗もうとする馬どろぼうがさんざんな目に合うという「のきばとんとん、ふるやのもりぞう」のお話しは笑い話としてよく取り上げられますが、実はこのお話が長い間人々に語り継がれてきた本当の意味について、この本の「はじめに」で加古の言葉を引用してご紹介しております。合わせてお読みいただけたら幸いです。

洋の東西を問わず、かつて生活に重要な役割をはたしていた馬。
「馬力を出して頑張ろう」という現在の私たちの相棒はかつての馬ではなく、いったい何なのでしょうか。

生誕100周年を迎えるかこさとしについて神戸新聞「正平調」で今年生誕100周年の他お二人方々とともに紹介されました。取り上げらた三人のメッセージはいずれも現在の私たちに向けられたものだと結んでいます。

写真の本は豊富な写真と挿絵があり、 かこさとしのメッセージを伝えるものです。特に伝記は小学生にわかるよう平易な言葉で書かれているものの加古の思いの真髄を伝える深い内容ですので、大人の方にもおすすめいたします。

『人間』(福音館書店)のあとがきに添えられた絵は、洞窟絵画の模写

毎年恒例の干支探し、今年は午(馬)。

人類は人力で動かしていた道具を牛馬に頼るようになり農業や輸送などに大きな力を得ました。また、古くから身分の高い人は馬を移動手段として活用していました。

『かこさとし 新・絵でみる化学のせかい⑤未来の化学 資源とエネルギー』の最初の場面を見ると、馬がそこここに描かれ、様々に利用されてきたことがわかります。

海外に目を向ければ、冒頭に載せた洞窟絵画に始まり、ピラミッドの時代、そしてヨーロッパをはじめ世界各地の絵画作品にも数多く見つけることができますので、それを伝える加古作品にも枚挙にいとまがありません。

紀元前1296年カデシュの戦いでのラムセス2世『ピラミッド』より

『万里の長城』より

『絵でみる化学のせかい③』より

日本の古い時代については『富士山大ばくはつ』(小峰書店)や『ならの大仏さま』(復刊ドットコム)などに多く描かれています。

800年ごろの延暦の噴火を見つめる馬を連れた人

864年・870年の貞観の噴火『富士山大ばくはつ』より

聖武天皇の時代745年の出来事『ならの大仏さま』より

お祭りや行事で馬を見ることもあります。
流鏑馬もその一つでしょう。

『こどもの行事しぜんと生活9月のまき』より

また、そうした大切な馬ですから郷土玩具にも登場します。だるまちゃんすごろくで見てみましょう。

「おくにおもちゃめぐり」青森の【やわたごま】

「おくにおもちゃのいろはすごろく」のちゃぐちゃぐうまこ(岩手)

皆様の地域には馬にまつわるおもちゃや逸話がおありでしょうか。

すっかりデジタル、電化生活の中にいる私たちですが、馬をきっかけに人間の歴史を振り返ってみるのはいかがでしょうか。(つづく)