お知らせ

『カッコーはくしのだいぼうけん』

かこさとしが自分の姿を投影した、その名も「カッコーはくし」が大冒険をする待望のお話がいよいよ復刊されます。こどもの頃にこの本を読んで登場する新聞記者になりたいと思い、長じて実際に新聞記者になったと、ある方から直接伺ったことがあります。

さて、どんな事件がおこり「カッコーはくし」が知恵と勇気とユーモアで解決するのでしょうか。お楽しみに!

詳しくは以下をどうぞ。

カッコーはくしのだいぼうけん

当公式サイト「編集室より」にて2022年2月26日にあとがきからとして掲載したものをここでもお読みいただけます。

あとがき かこ・さとし

(引用はじめ)
人が好くって優しくて、知恵と正義のかたま りのようなカッコー博士を皆様に御紹介致します。

「カッコー博士の絵本をごらんになってちょっ と変わったことにお気づきでしょう。それとい うのも、カッコー博士は、日ごろ筋もストーリ ーもないムード画面の集録や、少しも読者を空 想の世界へはばたかせないファンタジーや、大 人のガンゼない郷愁の羅列、さては白々しい浪 漫的ひとりよがりといった絵本の多くを苦々し くおもっているからでしょう。

「絵本というものの根幹であり、基盤であり、 本筋である、あのワクワクする物語のおもしろ さ、起承転結の劇的興奮を何よりもだいじにし ている先生です。そうした絵本の流れを支える 「ことば」と「絵」にはなかなかやかましい人物です。「ことば」として生きていない空虚な 文字の連なりや、冗長な文章、それにただ服従 したような挿絵や作品と別な主張をもつ「芸術 絵画」に対しては、もちろん鋭い批判をあびせ かけます。ですからカッコー博士の登場する絵 本は、こうした難関をへなければならないので 皆様にお見せすることがとても大変です。

そのうえもうひとつ、カッコー博士は、作者 や編集部や印刷の方々の努力だけで絵本ができ あがるのではなく、作品をよく理解し、愛し、 それに親しい息吹きを与えてくれる感受性豊か な読者があって、はじめて完成されるという主 張をもっているのです。

さてよき読者の皆様によって、カッコー博士 に新たな活力が与えられるでしょうか。
(引用おわり)