この3冊の絵本の共通点は、いずれもその絵が手ぬぐいの図柄として使われていることです。
「だるまちゃん」シリーズは横長の画面なので手ぬぐいにしやすいこともあります。
『コウノトリのコウちゃん』(小峰書店)は越前市のコウノトリの繁殖を願って作った絵本で、この本の出版後、絵本の内容そのままにコウノトリが増えていきました。
コウノトリの保護と繁殖に長年取り組んできた兵庫県豊岡の皆さんのご熱意を受け、加古が手ぬぐい用のデザインを考えるお約束をしました。しかしながら、下書きをした段階で加古は亡くなってしまいましたので、その下書きを元に作成したという経緯があります。
以下の記事に写真もありますので、ご覧ください。
「何人かでじゃんけんをして、勝ったらひとつずつ、地上に画面を描きすすめてゆく」絵かきジャン遊びがあります。
特別な遊び道具がなくても、小さい子でも遊べるので、地面ではく、裏紙に書いて遊んだ記憶が筆者にはあります。
『伝承遊び考4じゃんけん遊び考』(2008年小峰書店・上)には、お正月にちなんだ絵をかく例がありますが、本書には全員を二組に分ける場合の 方法についても、日本各地で集めらた様々な掛け言葉が掲載されています。
2025年1月1日の北海道新聞には、組み分け・班分けのかけ言葉が年齢によって違っていることを記者さんの体験と取材で紹介しています。
『伝承遊び考4じゃんけん遊び考』によると、「グーとパーのニ形だけを使ってじゃんけんを行い、その手形によって組分けをするもの」でその際の掛け声として全国の52例が記載されています。
同様に「手形の石とはさみだけによるじゃんけん」として36種類の掛け言葉が収録されています。
そして新聞記事で紹介されていたのは、じゃんけんのグー、チョキ、パーではなく、手を出す方法で、加古の説明には以下のようにあります。
(引用はじめ)
全員が輪になって内側を向き、腕組みをする。掛け声とともに、各人片手をだし、てのひらか、甲のいずれかを示す、てのひらが白、甲は黒と称し、あるいは表/裏として、それにより組み分けや順位を決めてゆく。
(引用おわり)
その掛け声を一部ご紹介します。
しろ くろ しろ くろ しろ くろ せ(沖縄)
うら おもて ぐーちょ(大分・埼玉)
うらか おもてか ほい(福岡)
加古によると、じゃんけんは「遊びにおける最高必需品」で、「10万を超える資料を入手することができた」そうです。
全国の皆さんからの多くの資料をもとに加古が分類・分析して考察したものは深く、大変示唆に富むものです。是非本書を手に取ってバラエティ豊かな掛け声に込められた、子どもたちの生き生きとした息づかい・生命力を感じていただけたら幸いです。
大福餅に集中する子、ようかんを満喫する子、舌なめずりする子、ケーキが待ちきれなくて身を乗り出す子⋯楽しいおやつの時間の光景はいつまでも見ていられそうです。
この絵をはじめ美味しそうなものが、たくさんたくさん並んでいる越前市ふるさと絵本館の展示について紹介していただきました。
「いぬのおまわりさん」や「サッちゃん」で知られる大中恩氏とかこさとしの出会いは、戦後まもない1940年代に遡ります。
加古が大学を卒業する前に、大学一の大教室で自らの脚本、演出で上演した童話劇「夜の小人」の劇中歌を作曲し、自らの合唱団を率いて指揮をしてくださったのが大中恩氏でした。
2024年、大中恩氏の生誕100周年を記念して各地でコンサートが開かれましたが、2025年にも福井で開催されます。『パピプペポーおんがくかい』(2013年偕成社)の最後の場面で歌われる「うみにうまれ いのちをつなぎ」を夫人の大中清子さんが歌われます。
空のかなたにある宇宙。
福井セーレンプラネット「宇宙のえほんとおもちゃ」展では、上の絵を含むかこさとしが描く『宇宙』(福音館書店)の絵を7枚展示しています。うち3枚は今回が初披露となるものです。
2024年12月13日には読売新聞福井版 、2014年12月27日福井新聞で紹介されました。
新年は1月2日正午からオープンです。
他には、刊行まもない『かこさとし 新・絵でみる化学のせかい』(講談社・上)や小さい子どものための科学の入門絵本『新装版 地球のかがくえほん』シリーズ(農文協・下)から初公開の絵など、そして「だるまちゃん」や『からすのパンやさん』もご覧いただけます。
出版されたばかりの『かこさとし 新・絵でみる化学のせかい』5冊シリーズを藤沢市の4市民図書館に寄贈の機会をいただき2024年11月27日藤沢市・鈴木恒夫市長さんはじめ皆様にご挨拶、お披露目となりました。その様子が11月28日の神奈川新聞に写真入りで掲載されました。
この写真は会場で、テーブルに立ててあるのがこの度講談社より刊行された新刊です。
中央の列の5冊と最前列左にあるのは1981〜82年に偕成社から出版された旧版です。ただし最前列右の『世界の化学者12か月』(偕成社)のみ2016年にリニューアルして刊行されました。
後方左の絵は本シリーズ④『地球と生命 自然と化学』の第1場面の複製画、後方右は『過去六年間を顧みて』(2018年偕成社)の最後にある、小学校卒業時の加古の決意。「化学博士という目的を目指し、友と約束したことと、父母の教えを胸にとめ勢いよく進んでいこう」でこの文集を終えています。
小学6年生の決意を実現し化学博士となったかこさとしからの贈り物を「こどもだけでなく大人の方にも手に取って」いただけたら思います。
「ほっとする懐かしい味」という見出しで紹介された「たけふ駅前中華そば」のポスターを加古が描いたのは2012年も終わりの頃のことでした。
2012年の夏、生まれ故郷越前市の武生公会堂での展示会を訪れていた加古の前に地元の若者が現れて、駅の近くに昔ながらの中華そばを提供しているお店が数多くあり、多くの人々に広く知ってもらう活動をしたいので是非ポスターを描いて欲しいとのことでした。
当時、実は『からすのパンやさん』の続きのお話を出版する準備を進めている最中でしたが、その中に中華そばも登場する『からすのそばやさん』が翌2013年に出版されることはまだ告知できない時期だったので「来年にはきっといいニュースがあるので楽しみにしていてください」とお話ししました。
続きのお話4冊を描きあげてからこのポスターを描くことになったのです。
このポスターにまつわる記事が読売新聞の福井版に掲載されました。