こぼれ話

2016/11/19

2016年 ー1ー

今年の10大ニュースとか、◯◯大賞とかが話題になる時期になりました。

2016年は加古里子が90歳を迎え、福井県越前市にある、かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)の開館記念日4月26日にあわせこの公式ウェブサイトを開設いたしました。このことがなんといっても大きな出来事でした。

東京のスタジオで「だるまちゃん音頭」の収録をしたのは、お正月のことでした。

お子さんたちの歌、篠笛、そしてミネハハさんの歌と各々を収録していきます。作曲の飯田俊明さんがOKをだしても納得ゆくまで「もう一度」とくりかえし演奏される篠笛の山崎泰之さんをガラス越し拝見し、プロフェッショナルの心意気を教えられたようで、新年早々にこのような場に立ち会えたことは大きな刺激と一年に向けての意気込みを固めることとなりました。

京都では茂山逸平さんとお弟子さんによる振り付けを録画して、ついに、だるまちゃん音頭のCD・DVDが完成しました。

桜が満開の4月3日、東京・にしすがも創造舎での福音館こどものとも創刊60周年のイベント「だるまちゃんデー」では体育館いっぱいにだるまちゃん音頭と太鼓の音が響きわたりました。

(にしすがも創造舎でのだるまちゃんデーに行われた巨大だるま落としは、力を入れるタイミングがなかなか難しそうでした。)

テレビ局の取材クルーも到着。体育館にはやぐらも組まれ万国旗よろしく、だるまちゃんの表紙の絵が会場を飾り準備も整いました。

地元のお子さんたちによる見事なバチさばきで音頭は一層盛り上がり、大人も子どもも輪になって何回も踊りました。
ノリの良いミネハハさんの歌声は一度聞いたら忘れられません。実はミネハハさんは筆者の中学・高校時代の上級生で生徒の頃から、その歌唱力は学校中に知られていました。11月22日(火)夜8:57~「マツコの知らない世界」(TBS)に出演されるそうです。

「だるまちゃん音頭」は以下の福音館書店さんのホームページにあります。
寒くなってきますが、音頭を踊って寒さを吹き飛ばしてください。

http://www.fukuinkan.co.jp/ninkimono/daruma/ondo.html

11月になりました

11月を迎え来年のことが話題になる季節になりました。

ご覧いただいているのは「かこさとし おはなしのほんカレンダー」11月(ケイエス販売)です。このカレンダーは、偕成社から刊行されているおはなしのほんシリーズ20冊の中から季節や行事にちなんだ絵を月ごとのカレンダーにしたもので、今月の絵は「からすのてんぷらやさん」から、紅葉が色づく会場での賑やかなおめでたい場面です。

「からすのてんぷらやさん」(偕成社2013年)の表紙と裏表紙。

この絵本は「からすのパンやさん」の4わのこどものうち3番目に生まれたレモンちゃんが、大きくなって思いもかけない事件に遭遇し仲間とともに奮闘する物語です。

あとがきの一部をご紹介します。
(引用はじめ)

私は戦災や震災の時、レモンさんのような方がたに何人も接して、平時では得られぬ貴重な教えをいただいてきました。そして人間の社会は、ただ大勢いるのではなく、たがいに助けあい、補いあって、「社会」がなりたつことを知りました。

それが、このお話しをかこうとおもったきっかけです。
(引用おわり)
尚、本文は縦書きで漢字には全てふりがながふってありますが、ここでは省略しました。

上は、来年2017年のおはなしのほんカレンダーです。2018年1月までの13場面と20枚のメモリアルシールが付いています。

絵本とは違い文字がありませんので絵をじっくり楽しんでいただけます。お忙しい日々、ふと見るカレンダーの絵に和んでいただけたら何よりです。

かこさとしの複製原画をご覧になられたことがありますか。
実は古い原画は紙質も悪く、保存状態が良好だったとはいえず、随分いたんで額にいれて展示するの難しいものが多々あり「かわ」(1962年福音館書店)などはこの50年間展示したことはありませんでした。

最近は複製する技術が格段に進歩し国宝の絵画を複製にするような技術を使っての再現が可能となったことで額装してご覧いただけるようになりました。紙は特殊なものを使用するため触れば違いがわかる場合もありますが、元の紙質を写し取ることにより非常に正確に複製されますので、本の印刷では出せない原画の色鮮やかな画面を楽しんでいただけます。

複製原画をご覧いただける場所ですが、福井県福井市ふるさと文学館、福井県ゆかりの文学者のコーナーに2-3点が常設展示となっています。また、同県越前市かこさとし ふるさと絵本館石石(らく)の2階には常時40点以上の複製原画が展示されています。ここでは年に4回展示画の入れ替えをしていますが、毎回、加古作品の中から選んだ一冊の全ページ分の(作品の一部だけではなく)複製原画を見ることができます。

額装マットには、白ではなくやや薄い明るいベージュ系の色を使うことが多く、本ホームページ背景色もその色を基調としています。上述の越前市絵本館では下絵を展示することもあるのが特色ですが、下絵にはもっと茶色の濃い色合いのマットを使用し区別しています。

「からすのパンやさん(偕成社)裏表紙。本ホームページもこの色あいを基調にしています。

小さいお子さん向け、例えば「ことばべんきょう」には元気のでるレモンイエロー系、科学絵本の場合はより白に近い色やグレー系。「どろぼうがっこう」(偕成社)は真っ黒に金属的な額で牢屋のイメージ。

「ことばのべんきょう 4 -くまちゃんのかいもの」(福音館書店)

「うみはおおきい うみはすごい」(農文協) 表紙

展示会ではアクセントをつけるためにほんの少しニュアンスの違う額やマットの色を使う絵があります。多くは開催地にちなんだものなので、機会がありましたらそんな額装の絵を探されてはいかがでしょうか。

「むしばミュータンスのぼうけん」(童心社)
この原画は白地のため、絵本の背景色にあわせたマットの色です。目立つ、珍しい色あいの一例です。