絵本館情報

『からすのパンやさん』刊行50周年、つつぎのお話10周年の2023年度の最後を飾る楽しくて、たくさんのからすさんに会える展示が始まります。

お馴染みの絵もあれば、こんなところにもからす?ときっと驚かれるような場面もありますし、初めてご覧になる「からすさん」がいるかもしれません。

少しだけご紹介しましょう。

11月から期間限定でオンでマンド出版が始まった『コチコチやまのとこやさん』(1984年偕成社)の表紙にもからすがいます。 

同じくオンデマンドで復刊された『こぶた四ひきチンチロリン』(1986年偕成社)ではチンチロリンちゃんたちの名付け親の牛のおじさんが面白いお話をしてくれますが、その中にからすが登場します。

ドイツの「黒い森」を舞台にしたお話『まほうのもりのブチブル・ベンベ』(1986年偕成社)の第一場面、「黒い森」をよーく見るとからすが一羽、二羽⋯。さらにお話が進むと奇妙なからすも登場します。

そうそう、『からすのパンやさん』お気に入りのパン投票もあります!
ぜひお越しください。2024年3月25日までです。

絵本館は年末年始(12月28日から1月4日)、火曜日、国民の祝日の翌平日が休館になります。

「紫式部のまち 越前市」ルポ 下

国民的な文化の担い手を送り出す風土

かこさとしの生まれ故郷、福井県越前市にある「かこさとし ふるさと絵本館」の紹介です。

絵本館は2013年開館、今年の4月に10周年を迎えました。加古の絵本をお読みいただくことができ、常時作品の複製原画を展示しています。

2023年11月27日(月)までは「だるまちゃん大集合」をテーマにシリーズに登場するさまざまな「だるまちゃん」を展示。

毎週火曜日は休館、国民の祝日の翌平日は休館、11月29、30日は展示替えのため臨時休館です。

2023年12月1日(金)からは新展示「からすさん大集合」が始まります。ご期待ください。

美術展ナビ 越前市ふるさと絵本館

2021年度より季節ごとにテーマを決めて展示をしている福井県越前市のかこさとし絵本館のことが2021年6月5日の福井新聞で紹介されました。6月21日までは「山」をキーワードに、物語、科学絵本から山の場面を展示しています。お近くの皆様、お見逃しなく!

6月22日(火)から24日(木)までは展示替えのため臨時休館で、6月25日(金)から8月30日(月)までは「太陽」をテーマに展示され、『よあけゆうやけ にじやオーロラ』(2005年農文協)、『太陽と光しょくばいものがたり』(2010年偕成社)や『人間』(1995年福音館書店)などの複製原画がご覧いただけます。初公開のものが数枚ありますので、どうぞお楽しみに。



これは1956年かこさとしがロシアの民話を手描き紙芝居にした表紙です。現在ではウクライナ民話の絵本『てぶくろ』として有名なお話です。紙芝居は、幼稚園や保育園はじめ様々な催しで年齢問わず楽しんでいただいていますが、作ったことはおありですか。

4コマ漫画の2倍、8枚で起承転結を考えて、そこで入りきらないものは1枚づつ増やして12枚、お子さんなら8枚を目安にするのがつくりやすいようです。『おちていたてぶくろ』はそれに表紙を入れて13枚の構成です。表紙込みで12枚という作品もありますし、もちろんそれ以上の枚数でも構わないのですが、テーマと結論をしっかり表現することが、心に残る作品につながります。

福井県越前市では、かこさとしふるさと絵本館を事務局として毎年紙芝居コンテストを開催しています。このほど第9回の優秀作品が決まり、コロナ禍のため残念ながら授賞式は行えませんが、最終選考に残った作品を絵本館にて展示しています。

また第8回コンテストの大賞作品と小学生の入賞作品のテーマが打ち刃物でしたので、「刃物の里」にて展示中だそうです。

かこさとしは、本コンテストの第1回から最終審査を行いコメントをしていました。今年は節目の第10回となりますので、多くのみなさまのご応募をお待ちしております。まだ受付は始まっていませんが、是非、紙芝居作りに挑戦してみてください。

下は『おちていたてぶくろ』の第六場面。

2020年3月15日まで越前市ふるさと絵本館では『むしばミュータンスのぼうけん』を展示。16日から18日までは展示替えの為休館いたします。
3月19日からは『だるまちゃんととらのこちゃん』を全点展示いたします。尚、3月24日までは高校生以下の入場をご遠慮いただいております。ご了承ください。

このウイルス禍で全国各地の美術館などが休館中ですが、収束したら巡ってみたい絵本関連の施設を紹介する『全国 大人になってもゆきたい 私の絵本めぐり』(下・2020年株式会社GB)が3月16日に出版され、福井県越前市にあるかこさとしふるさと絵本館も紹介されています。

福井県越前市ふるさと絵本館よりお知らせです。

新型コロナウイルスの感染予防のため、2020年3月24日(火)まで高校生以下の入場をご遠慮いただいております。

また、現在のところ、各種イベントを延期・中止いたしております。
皆さまにはご不便をお掛けしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

2018年8月9日当サイト「作品によせて」コーナーであとがきをご紹介した科学絵本『たいふう』(1967年福音館書店)は半世紀以上も前の古い作品であるにもかかわらず、展示を望む声が強くよせられました。それにお応えしていよいよ2019年6月27日(木)より、越前市ふるさと絵本館で展示を致します。

表紙(上)には、ちょっとクラシックな雰囲気の子どもと日本列島の地図に気象記号と台風の進路が記され、『かわ』に似た構成です。そして裏表紙(下)には、著者に似たメガネの気象予報士と思われる人が台風の進路の解説をしている様子が描かれています。この本が出版された1969年は、39もの台風が発生した記録が残る年でもありました。

本作品に描かれている暮らしぶりは昭和の時代を感じさせるものですが、台風に備え向かう姿勢は今と何ら変わりがありません。かつて、台風一過の秋晴れを安堵で眺めた清々しさを最近感じられなくなってしまったのは、台風が秋以外の季節にもやってくるようになり、また台風が通り過ぎても暑さが残ったりという気象の変化があるように感じられます。いずれにしても、台風の通り道に住む私たちにとって、特にお子さん達が台風のことを知り、自然の猛威について考える良い機会になれば幸いです。

現在展示中の『あおいめ くろいめ ちゃいろのめ』は6月23日で終了し、展示替えのため6月24日から26日までは休館となります。
(下は、前扉の絵です)

福井県越前市のふるさと絵本館2階では展示替えを行い、2018年11月15日から2019年3月17日まで『かこさとし・むかしばなしの本 でんせつでんがらでんえもん』(2014年復刊ドットコム)の全場面を展示しています。この物語の主人公は欲深い、でんえもん。強欲な人というのは昔話でもよく出てきますが、加古の描く欲張りでんえもんの表情の微妙な変化と、どこからやってきたのか不明の謎の老人の鋭い眼光など、だるまちゃんやからすのシリーズ作品とは異なる絵のタッチは必見です。

本の帯には、加古のあとがきの言葉から引用してこうあります。
「自己に対しては、強いおそれとつつしみを抱き、そして、社会の歪みや制度の悪に敢然と立ち向ってほしいというのが、この物語に託した願いです。 かこさとし」
(あとがき全文は、当サイト「あとがきから」コーナーで2017年6月16日に紹介していますのでご参照ください)

加古は20代の頃から全国各地に伝わる民話に興味を持ち研究していました。むかしばなしの本(上)は5冊シリーズで、絵本館での展示は『かいぞくがぼがぼまる』『てんぐとかっぱとかみなりどん』に続き3作目となります。88歳の米寿を記念して全国の図書館に寄贈した絵本『矢村のヤ助』(2014年・非売品・下)も若い頃に創作し、川崎セツルメントで子どもたちに語り聞かせていた作品です。

今回の展示では、絵本館にほど近い、加古の墓所がある引接寺(いんじょうじ)の石仏にまつわる昔話もご紹介しています。冬の炉端で語られることが多かった昔話には、人々がお話を通して子や孫に伝えたかった大切な思いが込められています。今に生きる私たちにとってもそれは貴重なものに違いないはずです。