公園レポート

武生中央公園には市内外から大型バスで遠足の子どもたたちが訪れます。万一の雨の時に休憩したり、さまざまな催しを開催できる体育館よりも大きな建物、「まさかりどんの館」そしてその前には「たいへんあそびば」があります。

越前市は打ち刃物の伝統産業があり、木を切り工作する数多くの道具が登場する『まさかりどんがさあたいへん』(1996年小峰書店)が名前の由来です。

壁面には、その道具が絵本そのままに描かれています。

夜になるとこの建物の巨大な壁面に『どろぼうがっこう』の場面が浮かび上がります。夜の遠足「ぬきあし さしあし」のあの場面です。越前市にいらっしゃる折には是非ご覧ください。

テニスコート、その向こうには「コウノトリの大冒険」や「かいぞくせん・がぼがぼまる」の支柱が小さく見えるこの「あそびば」に赤い車が停められています。

『ねずみのしょうぼうたい』(1985年偕成社)にちなんで命名、かつて実際に使われていた消防車です。運転席にも座れるのではお子さんたちは大喜び。

表紙絵が看板になっています。

5回に分けてご紹介した武生中央公園のリニューアル部分のご紹介はこれでおしまい。次回は駅前にある室内広場のご紹介です。

コウノトリの大冒険

2018年の公園整備に際し、長い間地元の皆さんに親しまれていた大観覧車の中央に『コウノトリのコウちゃん』(2017年小峰書店)にあるコウノトリが大空を舞う絵が設置されました。しかし2022年、観覧車の老朽化に伴い、堅牢な支柱とこの絵のみを残し大幅なリニューアルが行われ、上の写真にある「コウノトリの大冒険」が誕生しました。

冒険心をくすぐるようなスリルあふれる大型遊具で子どもたちは目を輝かせて夢中で遊んでいます。

最上部から公園を見下ろすとこんな感じ。

地上7メートルの高さから、あずまやの屋根の上に滑り降ります。

コウノトリの大空散歩

やや離れた隣にもコウノトリ遊具、「コウノトリの大空散歩」。1羽1羽に絵本に登場するコウノトリの名前がついていて、混んでいなければ好きなコウノトリに乗ることができます。

腰掛けながら自転車のようにペダルを漕ぐと、さらに座席が上昇。周りながら上がるので飛んでいる気分を味わえます。

越前市はコウノトリのすむ里山作りに取り組み、コウノトリの自然繁殖の地となりました。それはあたかも絵本の物語そのものです。

越前市伝統の箪笥を作る技を用いて作られた、引き戸のように左右に絵を動かせる掲示版にも絵本が登場。遊具の周囲にもコウノトリにまつわる越前市の取り組みが、紹介されています。

コウノトリの繁殖には、そのエサが取れる豊かな自然が必要です。

里山の自然を連想させる木組の迷路は、栄養たっぷりの土壌を好むモグラの迷路です。『モグラのもんだいモグラのもんく』(2001年小峰書店)などから興味深い情報が掲示されていて、遊びながら環境について知ることができます。

木製のアスレチック遊具や水に親しめる設備もあって夏には歓声に包まれます。

水といえば、大海原を航行する船型の遊具「かいぞくせん・がぼがぼまる」も忘れてはなりません。リニューアルで『かいぞくがぼがぼまる』にそっくりになりました。

下の写真では、モグラの迷路の向こうに裏側が見えています。

表側の船体には海賊船長の大きな顔や絵本の場面が描かれていて迫力満点。
手前に見える亀は悪さをした海賊たちを懲らしめる海の少年がのっているものです。

安全に遊具を楽しむために身長制限があり、怖い顔の「がぼがぼまる」がにらみをきかせています。

「がぼがぼまるより大きな子は乗ってよし!」

2022年のリニューアルで一番大きく変わったのがパピプペポー広場です。この広場を囲むように巡っていたモノレールはお色直しをして『だるまちゃんとかみなりちゃん』にでてくるような「かみなりまちのモノレール」になりました。

動画は以下です。どうぞご覧ください。

パピプペポー広場 動画

そびえたっているのは「かみなりまちのほうでんとう」です。

2人で並んですわる座席がゆっくり上がっていきますが、目の前にあるロープを引くとさらにそのスピードが増し、あっという間に最上部に到達します。そのままロープを引っ張り続ければその場に止まっていることもできますし、手をロープから離すとゆっくり下降、最後は下に戻ってくる仕掛けです。

てっぺんには、かみなり型のパラボラアンテナがついています。

放電灯の下を走るのは、ウンカーではなく『だるまちゃんととらのこちゃん』の「とらのまちのひげとらタクシー」です。
バッテリーで時速2キロで走り、小さなお子さんが大人と一緒に乗って安心して運転できます。

モノレールのレールの向こう、放電灯の手前にあるのは、リニューアルしたての「おもちゃの国のメリーゴーランド」です。

天井の絵や周囲の柵や屋根にかこの絵を配置。下は絵を見やすくするため90度回転させています。

公園の東側から入って、大人気の「からすのパンやさんの風車塔」や「だるまちゃんとかみなりちゃんのふわふわ雲」(トランポリン)へ向かうところにあるこの絵。飲食施設〈はぐもぐ〉の裏側と言った方がわかりやすいかもしれません。

上の絵の右側には、広場の名前の由来となった絵本『コウノトリのコウちゃん』と『だるまちゃんとてんぐちゃん』の2枚の絵があります。

左には同様に『にんじんばたけのパピプペポ』前扉の絵。

モザイクで作ってあるように見えますね。

ところが、近づいて見ると、たとえばだるまちゃんの胸のあたりはこんなかんじです。

かみなりちゃんの方は、

全て、かこの絵本の表紙からできています。

それでは動画でご覧ください。

表紙でできた絵

2018年に誕生した武生中央公園(福井県越前市)には「だるまちゃん広場」をはじめ3つの広場があります。かつては野球場だった広大な場所を整備して出来上がりましたが、その後もリニューアルや新遊具の設置が進められついに2022年秋に全ての施設が整いました。

新たに加わったものをご紹介しましょう。

遠くに山、建物には「越前山歌」の大壁画、手前の巨木の下にあるのはウッドデッキとかまどでしょうか。
何か字が書いてあるのは看板?

反対側に回ってみましょう。。。

からすのパンやさんの看板です。

幹の上の方には⋯

いました!

4羽のからすのこどもたち。
ここは「からすのパンやさん」のおうちなんですね。

よーく見るとウッドデッキはクロワッサンの形です。かまどに見えるものは紙芝居の台にもなり、ウッドデッキに座って木陰で紙芝居を見る。そんなことができるよう作られています。

ロンドンのハイドパークにあるスピーカーズコーナーのように、自由に紙芝居ができるようにという願いが込められています。

おや?
からすのお父さんでしょうか?