2020
『くもとり山のイノシシびょういん 7つのおはなし』(福音館書店)
NHKプロフェッショナルの番組冒頭で書斎の加古が語り始めた創作童話はこの「イノシシびょういん」の物語でした。
2011年から2019年の間に、福音館書店の月刊雑誌「母の友」に掲載された「イノシシびょういん」のお話7話を単行本として2021年1月に出版することになり、予約が始まりました。
「だるまちゃん」や「からす」の絵本シリーズから少しおとなの本に近づいた形ですが、中には絵があって、漢字もわずかで読みやすい童話です。もともとは読み聞かせのための作品ですから、聞く、見る、読むお話としてぜひお楽しみください。
文は、かこさとし、絵は、かこと孫のなかじまかめいが描いています。
刊行に先駆けて2020年12月12日から盛岡市民文化ホールで開催の全国巡回展「かこさとしの世界」展では、このお話の手書き原稿も一部ですがご覧いただけます。
詳しくは以下でどうぞ。
くもとり山のイノシシびょういん
2021年1月9日、毎日小学生新聞に低学年向けとして紹介されました。
毎日小学生新聞
盛岡市民文化ホール
2020年2月以来コロナ禍で中止となっておりました全国巡回展示会が再開されました。会場の盛岡市民文化ホールには岩手県や宮沢賢治など地元にゆかりのある作品を含むおよそ150点が展示されています。
「だるまちゃん」や「からすのパンやさん」一家のお話シリーズ、デビュー作の『だむのおじさんたち』、科学絵本の下絵に『なつのほし』『ふゆのほし』の原画も加わり、さまざまななジャンルの絵が並びます。
絵本の原画だけではなく、絵画作品もいろいろで、中学生時代の作品もご覧いただけます。どなたがいらしてもお気に入りの絵がきっと見つかる、そんな展示内容です。来年出版予定の幼年童話集『くもとり山のイノシシびょういん』も特別に一足早くお目見えです。
感染拡大予防にご協力いただきながらではありますが、しばし、かこさとしの世界を心ゆくまでお楽しみください。
2021年1月8日に岩手日報で、また12日には同社ジュニアウィークリーにも紹介記事が掲載されました。
展示会情報は以下でどうぞご覧ください。
盛岡 かこさとしの世界展
開幕 岩手日報2020年12月13日
12月28日 毎日新聞 絵本ができるプロセス感じて
盛岡市民文化ホールで開催中の「かこさとしの世界展」は年末年始は休館で2021年1月5日からご覧いただけます。原画をはじめ、加古の貴重な映像もご覧いただけます。ご家族皆様でお楽しみください。
岩手日報で3回にわたり本展示会に関しての記事が掲載されたほか、以下、毎日新聞でも紹介されました。以下でどうぞ。
毎日新聞 岩手
2020年12月8日讀賣新聞朝刊【ゴロク】で引用されたのは、『未来のだるまちゃんへ』(2014年文藝春秋社)の中から、まだ化学会社に勤めながら執筆をしていた時代の心構えについてでした。
この本は加古が自分の遺言がわりに、伝えておきたいこと、生まれてから晩年に至るまでを自ら語りまとめていただいたものです。小学校高学年から読んでいただける内容です。文庫本には、ハードカバー版のあとがきと、加古自身による文庫本向けのあとがき、更には中川李枝子さんによる解説もついています。
戦争や様々な社会の荒波を迷いながら生きた90年、加古の言葉にはきっと何か皆様の心に響くものがあることと思います。
北海道大樹町 広報 No.632
北海道大樹町の広報で紹介されたのは『ほんはまっていますのぞんでいます』(2017年復刊ドットコム)。この本は1985年童心社より、かこさとし社会の本シリーズとして刊行されたものの復刊です。
そのあとがきで、かこは、子どもたちが大きくなるにつれだんだん本を読まなくなることにふれ、次のように続けています。
(引用はじめ)
一方、親や大人は、子供だけ本を読めと言うだけで、良書の普及や図書館の状況が文明国の中でとても恥ずかしい状態なのを改める努力が少ないように思います。なぜなのでしょうか
もうそろそろ私たちは、子どもも大人も、考え直す時が来ているように思います。
かこさとし
(引用おわり)
このあとがきは1985年の状況を示しているのですが、2020年も終わろうという現在はどのようになっているのでしょうか。
広報の記事は以下でどうぞ。
ほんはまっています のぞんでいます
読書の種をまき続ける科学者 藤嶋昭さん
『太陽と光しょくばいものがたり』(2010年偕成社)の共著者、藤嶋昭先生が読書の大切さを語る記事で、先生が講演で必ず説明される『ピラミッド』(1990年偕成社)や『万里の長城』(2011年福音館書店)、『せかいあちこちちきゅうたんけん』(2005年農文協)が先生とともに写真におさまっています。
『せかいあちこちちきゅうたんけん』のアンデスの山々の絵は福井県越前市の屋内施設「てんぐちゃんひろば」(下)のボルダリングに使われていて、お子さんたちに大人気となっています。
「だるまちゃんかれんだー」初登場!
読売新聞で10月に紹介されたのが、今年初めて発売されたこの卓上タイプのカレンダー。左にはだるまちゃんがいますが、よーくみると右にも何か⋯てんぐちゃんが隠れています。だるまちゃんかてんぐちゃんが顔を出すと、もう一人は隠れてしまう、かくれんぼの仕掛けになっています。
ハガキ大で月毎にめくると、各月の行事について『かこさとしこどもの行事しぜんと生活』全12巻(2012年小峰書店)から選り抜いた解説が読めるのが特徴です。行事の詳しい由来や本来の意味がわかり生活の中で先人たちが得た知恵や思いを知ることができます。
おなじみの「からすのパンやさんファミリーカレンダー」も出番を待っています。『からすのパンやさん』の名場面やシリーズの美味しそうなものが並ぶ絵は毎年好評です。こちらも月ごとで、五人分の予定を書き込めるので掲示板のように使うことができます。ペットの予定を入れたり、ご自分一人で時間帯に分けて書き入れる方もいらっしゃいます。
なんと、この2種類のカレンダーをセットでプレゼント、というのが2020年12月3日発売のモエ2021年1月号です。来年が皆さまにとって良い年になりますように!
コロナ禍で、対面での絵本の読み聞かせ・読み語りが難しい状況です。特別に『からすのてんぷらやさん』(2013年偕成社)を内田恭子さんが読んでいる動画をご覧いただけます。
からすのまちの「いずみがもり」にあるてんぷらやさんが火事になり、お店は焼けてしまい、おかみさんは行方不明、むすこのイワくんも目をけがしてしまいます。
災難にあって、「たがいに助けあい、おぎないあって」いる姿を描く物語です。以下でどうぞ。
からすのてんぷらやさん
越前市ふるさと絵本館
北国では雪がふりはじめています。ふるさと絵本館のある越前市もかつてほどではありませんが、雪の多い地域です。そこに生まれ7年間過ごした、かこはたくさんの雪にまつわる思い出がありました。
吹雪の恐ろしさ、雪が降りやみ新雪で遊ぶ楽しさ、そんな思い出が画面からにじみでるような『ゆきのひ』(1966年福音館書店)など雪を描いた作品の展示が11月27日(金)から始まります。
初公開となる『ゆきのひのおはなし』は表紙、本文、見返しにいたる全ての絵をご覧いただけます。見ているだけで楽しく、雪遊びをしたくなること間違いなしの、かわいい絵本です。
年内は『サン・サン・サンタ ひみつきち』(2019年白泉社)のサンタの場面も展示、2021年には一部展示を入れ替えて、『過去六年間を顧みて』(2018年3月)の雪の絵がある場面が登場します。お楽しみください。
尚、11月24〜26日までは展示替えのため臨時休館、年末年始は休館となります。
冬の足音が近づいてきました。
手に入りにくかった『ふゆのほし』(1985年偕成社)の重版が出来上がりました。
この本には絵だけではなく、実際の星空の写真があり、本を読みながら星を見つける練習ができます。星の名前の由来や星によせる古来からの思い・逸話、星や太陽の大きさなど興味深い内容がわかりやすく説明されています。
かこはこのシリーズ刊行にあたり、冬の白河天体観測所に編集者さんと伺い、寒さに震えながら観測し、ご教示いただいたそうです。さぞかし大きなクシャミをしながらだったのではないかと想像します。
見返しには、星座の位置がわかる早見図が載せてありますので、寒さ対策を万全にして星空を見上げていだければ幸いです。
12月12日から盛岡市文化センターで始まる「かこさとしの世界展」では、『なつのほし』とこの『ふゆのほし』の原画を1枚づつですが展示いたします。どうぞお楽しみに。尚、会期は2021年1月31日までです。
福井県越前市の武生中央公園がライトアップされています。これまで以上にたくさんの灯りと手作りオーナメントが輝いています。お近くの方は是非お出かけください。
ライトアップ