お知らせ

2025

セツルメントの学生群像

伝記『かこさとし 遊びと絵本で子どもの未来を』(2021年あかね書房)や『かこさとし 子どもたちに伝えたかったこと』(2022年平凡社)の著者、鈴木愛一郎が加古の著作活動の中心にあり、源点でもあったセツルメント活動の精神について紐解きます。

これまでの著作物では触れられていなかった、かこさとしの内面を知ることができるエッセイシリーズ全6回の第1回目です。以下で全文をお読みいただけます。

時の風 加古里子をめぐる人々(1)

上の写真はかこさとし80歳、藤沢市での講演会の様子。

福井新聞 加古里子をめぐる人々(1)

2025年1月19日に福井県で大中恩氏の作品を御奥様の大中清子さんはじめ福井の合唱団の皆様によるコンサートが開催され、福井県ゆかりの曲が披露されました。

かこさとし作『パピプぺポーおんがくかい』のフィナーレの歌も大中恩氏の作曲、大中清子さんにより独唱されたことが日刊県民福井で報じられています。

日刊県民福井福井 コンサート

作品『秋』をテーマに 戦争体験伝える講演

2026年1月10日のタウンニュース藤沢版で、26日(日)に開催の「かこさとしが伝えたかったこと〜子どもたちの未来へ〜」講演会のお知らせが上記の見出しで掲載されました。
当日は複製原画も展示いたします。

講演会(朗読) 藤沢タウンニュース

2025年1月13日の福井テレビで紹介されたセーレンプラネットでの特別展示には、かこさとしの『宇宙』の大きな複製画や『地球』の下絵、昨年末に刊行されたばかりの『かこさとし 新・絵でみる化学のせかい』など初公開のものも並んでいます。

お近くの皆様、是非ご覧ください。

福井セーレンプラネット 福井テレビ

この3冊の絵本の共通点は、いずれもその絵が手ぬぐいの図柄として使われていることです。

「だるまちゃん」シリーズは横長の画面なので手ぬぐいにしやすいこともあります。

『コウノトリのコウちゃん』(小峰書店)は越前市のコウノトリの繁殖を願って作った絵本で、この本の出版後、絵本の内容そのままにコウノトリが増えていきました。

コウノトリの保護と繁殖に長年取り組んできた兵庫県豊岡の皆さんのご熱意を受け、加古が手ぬぐい用のデザインを考えるお約束をしました。しかしながら、下書きをした段階で加古は亡くなってしまいましたので、その下書きを元に作成したという経緯があります。

以下の記事に写真もありますので、ご覧ください。

福井の手ぬぐい展

「何人かでじゃんけんをして、勝ったらひとつずつ、地上に画面を描きすすめてゆく」絵かきジャン遊びがあります。

特別な遊び道具がなくても、小さい子でも遊べるので、地面ではく、裏紙に書いて遊んだ記憶が筆者にはあります。

『伝承遊び考4じゃんけん遊び考』(2008年小峰書店・上)には、お正月にちなんだ絵をかく例がありますが、本書には全員を二組に分ける場合の 方法についても、日本各地で集めらた様々な掛け言葉が掲載されています。

2025年1月1日の北海道新聞には、組み分け・班分けのかけ言葉が年齢によって違っていることを記者さんの体験と取材で紹介しています。

北海道新聞班分けの「手」

グーパーじゃん

『伝承遊び考4じゃんけん遊び考』によると、「グーとパーのニ形だけを使ってじゃんけんを行い、その手形によって組分けをするもの」でその際の掛け声として全国の52例が記載されています。

グーチーじゃん

同様に「手形の石とはさみだけによるじゃんけん」として36種類の掛け言葉が収録されています。

しろくろじゃん

そして新聞記事で紹介されていたのは、じゃんけんのグー、チョキ、パーではなく、手を出す方法で、加古の説明には以下のようにあります。
(引用はじめ)
全員が輪になって内側を向き、腕組みをする。掛け声とともに、各人片手をだし、てのひらか、甲のいずれかを示す、てのひらが白、甲は黒と称し、あるいは表/裏として、それにより組み分けや順位を決めてゆく。
(引用おわり)

その掛け声を一部ご紹介します。
しろ くろ しろ くろ しろ くろ せ(沖縄)
うら おもて ぐーちょ(大分・埼玉)
うらか おもてか ほい(福岡)

加古によると、じゃんけんは「遊びにおける最高必需品」で、「10万を超える資料を入手することができた」そうです。

全国の皆さんからの多くの資料をもとに加古が分類・分析して考察したものは深く、大変示唆に富むものです。是非本書を手に取ってバラエティ豊かな掛け声に込められた、子どもたちの生き生きとした息づかい・生命力を感じていただけたら幸いです。