お知らせ

2025

12月5日より越前市ふるさと絵本館の展示が新しくなります。いよいよ生誕100年目前で、ふるさと越前市にゆかりのある作品が並びます。

今回の主な展示作品は かこさとしの干支でもある「とら」が登場する『だるまちゃんととらのこちゃん』(福音館書店)、越前市の伝統、打ち刃物にちなんだ『まさかりどんがさあたいへん』(小峰書店)そして、これも越前市が取り組んで繁殖に成功しているコウノトリを主人公にした『コウノトリのコウちゃん』(小峰書店)と2026年に出版50周年を迎える、かこさとしからだの本からも展示します。

武生中央公園のバッテリーカーでお馴染みの『だるまちゃんととらのこちゃん』は赤と黄色の色鮮やかさと遊びやお手伝いに元気いっぱいの様子に寒さも忘れます。

『まさかりどんがさあたいへん』は様々な道具たちが師走の私たちのように駆け足で仕事に励み、ついに完成したものは?! やんややんやの大喝采となる最終場面をぜひ複製画でご覧ください。

赤と黄色で元気になる画面がたくさん

いったいいくつの道具が登場するのでしょうか

『コウノトリのコウちゃん』は、加古自身が繁殖の取り組みが始まった施設の見学をして完成させた絵本です。絵も文もかこさとしの絵本としては最後の作品です。

出版から半世紀となっても読み継がれている「かこさとしからだの本」シリーズから、今回は『わたしののうとあなたのこころ』を1枚のみですが展示します。ゆっくりお楽しみください。

自然の恵み豊かな越前市を象徴するコウノトリ

かこさとしが小さなお子さんのためにかいた科学絵本のシリーズです

展示替えのため12月2・3・4日は休館、年末は26日までです。来年の休館については以下でどうぞ。

終戦80年藤沢市平和式典が松井一實広島市長、鈴木史朗長崎市長をお迎えし、両市長に続き鈴木恒夫藤沢市長のご挨拶で式典開始となりました。

①パネルディスカッション
松井一實広島市長、鈴木史朗長崎市長が原爆投下の実相、復興の歩みや平和学習の取り組み説明されました。また、2人の学生パネリストの質問におこたえになりながら、今後に向けた思いを熱意をこめてに話され、この様子が2025年11月15日夕方のNHK総合テレビ関東地方のニュースで報じられました。

この式典の司会は、平和学習広島・長崎派遣プログラムに参加した方が担当、それぞれの部の最後に所感を交えて次の部を紹介する進行が印象的でした。

鈴木恒夫藤沢市長からは藤沢市が長年取り組んできているこの派遣プログラムについても紹介がありました。

② 『くらげのパポちゃん』朗読
平和学習プログラムに参加した小学校5年生から大学1年生の若者たちが、写し出される絵を背景にキャラクターごとに担当して朗読しました。お話が終わった後会場は、しばし祈りに似た静けに包まれました。

司会の佐藤さんのコメントの最後は次のようでした。
「鮮やかな海の描写や迫力ある生き物と一緒に、戦争があったことが海の底に描かれていて、この絵本は、過去に日本も戦争をしていたことを未来につないでいく、忘れてはいけなことをそっと読者につたえていえるのかなと感じました。」

③基調講演「平和への想いを未来につなぐ」
サヘル・ローズさんによるお話しに心揺さぶられたのは筆者だけではなかったことでしょう。心に残るメッセージの連続でした。

④戦後80年 藤沢平和のメッセージ
平和学習プログラムに参加した若者たちがそこで気づいてこと考えたことなどを発表。

それぞれの思いが伝わる若者たちのメッセージにこの式典の大切さを感じ、平和への思いをあらためて考えることができました。

尚、この式典については2025年11月18日の東京新聞でも報じられ、『くらげのパポちゃん』朗読に「約200名の聴衆が静かに耳を傾けた」と紹介されました。

2025年11月18日 東京新聞 藤沢市平和式典

11月16日、朝日新聞、20日タウンニュース藤沢でも紹介されました。

2025年11月20日 タウンニュース藤沢 平和式典

前列右から長崎・藤沢・広島の市長さんと登壇した若者たちの記念撮影風景

本年お楽しみいただきました鈴木愛一郎による福井新聞日曜エッセイ【時の風】「加古里子をめぐる人々」はいよいよ最終回第6回となりました。

最後を飾るのは加古が20代半ばから約20年間毎日曜日に川崎市で活動していたセツルメント活動にも参加した経済学者馬場宏二氏についてです。

若い頃から歯に衣着せぬ口調で有名だった氏は大変な勉強家で物事を深く思索する方だったようですが、実はこれからの社会に関して、加古との共通の所見持っていたようです。

2025年11月 福井新聞日曜エッセー かこさとしをめぐる人々6

上は加古が経済という観点から執筆した絵本。

『ぎんぎらぎんこうものがたり』(1983年童心社・左端)は昭和時代の銀行の仕組みを解説しています。
『からすのやおやさん』(2013年偕成社)は「商売や物を売買するしごとのだいじな要点」を描いています。
右端の『やすくておとくなあそび お金と経済のからくり』(1992年農文協・下)の表紙にある言葉「生産力の発展が暮らしをゆたかにするそういう時代はすでに終わった」や裏表紙の「みかけの商品価値だけましていることが問題である」は出版された時期を考えるとかなり先の見通しをここで伝えていることに驚かされます。

長い間、越前市ふるさと絵本館の絵本館の館長をつとめられ、現在も絵本館で小さなお子さんと親御さん向けの講座などを数多く担当されておられる元絵本館館長の谷出千代子先生が、この度、地域文化功労者として文部科学大臣表彰を受けられることとなりました。

絵本館のさまざまな活動に熱心に取り組まれたことに対してのご受賞に、心よりお祝いを申し上げます。

2025年4月、絵本館の開館館記念のイベントで『くらげのパポちゃん』工作を手にする谷出先生。

秋が深まってまいりました。

みのりの秋、新そばの季節でもありますので『からすのそばやさん』の絵を飾っていただいています。

そばにとどまらず、うどんやラーメン、そしてパスタも登場するお客様サービス満点の「からすのそばやさん」のメニューをぜひご堪能ください。

詳しくは以下でどうぞ。

藤沢市図書館 かこさとし額 2025年11・12月

越前市絵本館は来年の かこさとし生誕100周年に向かいすでに展示で様々に工夫してお伝えしておりますが、そういった要素が盛り込まれている企画展を今回福井新聞で写真とともにご紹介いただきました。

12月1日までデビュー作『だむのおじさんたち』全点と絵本には使われなかった幻の2点も合わせて展示、また「だるまちゃん」シリーズの1作目『だるまちゃんとてんぐちゃん』を下絵を合わせて展示しています。

この2作品を間近でご覧いただける機会は貴重なものです。
展示内容については当サイトでもご案内しております。↓

かこさとし公式サイト 2025年12月1日までの絵本館展示 

福井新聞の記事は以下でお読みいただけます。
(2025年11月11日更新)

2025年11月11日 福井新聞 越前市ふるさと絵本館企画展

2025年11月8日 福井新聞 絵本館企画展

11月9日に最終日を迎える「たけふ菊人形展」。
「菊人形」が終わると越前市はいよいよ冬支度に向かいます。近年は、かつてほどの大雪になることはないようですが、冬こそある意味、雪国越前市らしい雰囲気を味わうことができるのかもしれません。そんな越前市絵本館に出かけられてはいかがでしょうか。

2025年11月3日の福井新聞「越山若水」にあるように、この度文化勲章を受けられた美術史家の辻惟雄先生と加古は20代の頃、川崎セツルメント(ボランティア)活動でご一緒して以来の知己でした。

加古がこの受章を知ったならどんなにか喜んだことと思います。加古にかわり心よりのお祝いを申し上げます。

住まいが近かったこともあり加古が地元で講演する時に辻先生が来てくださったり、かこさとしが菊池寛賞受賞の際にはお祝いの文章を書いてくださったり、辻先生は本を出版されるたびに送ってくださいました。


最後にゆっくりお話しできたのは2014年、辻先生が『奇想の発見ーある美術史家の回想』を刊行された記念の対談で『芸術新潮』(上)に掲載されました。

二人で古いアルバムを見ながら半世紀前のセツルメント時代の話に花がさいたのはいうまでもありません。伝記『かこさとし 遊びと絵本で子どもの未来を』(2021年 あかね書房 鈴木愛一郎著)の巻末「 かこさとしをとりまく人びと」でもその時の写真と共に辻先生をご紹介しています。

あかね書房のかこさとし伝記

その巻末資料「かこさとしをとりまく人びと」に辻先生

そして加古の没後もお世話になりました。

エッセイスト賞をいただいた『遊びの四季 ふるさとの伝承遊戯考』(1975年じゃこめてい出版)を2021年『だるまちゃんの思い出 遊びの四季 ふるさとの伝承遊戯考』(文春文庫)として文庫化するにあたり辻先生に解説をお書きいただきました。本文と合わせてぜひお読みいただけたらと存じます。


編集者が語る『くらげのパポちゃん』(2025年講談社)

編集者さんを招いて本が出来上がるまでのさまざまを語っていただく講演会が開催されます。今回は『秋』(2021年)『くらげのパポちゃん』2025年、いずれも講談社)の編集にあたった五十嵐千恵子さんが登壇されます。

下絵など普段目にすることができない資料をお見せしながら本作りにまつわる裏話をお聴きいただけます。

詳しくは以下でどうぞ。

板橋区立図書館 私の作ったこの1冊 くらげのパポちゃん

昭和時代 20年以上にわたり朝日新聞に掲載されていた「サザエさん」は長谷川町子さんによる4コマ漫画で、筆者はこどもの頃楽しみに見ていました。

「サザさん」の4コマには当時の世相や風潮が描かれており、「サザさんをさがして」はそれを紐解いたり現在の視点で見たりするユニークなコーナーです。

今回のキーワードは「トーナス」(唐茄子)、つまりカボチャ。かこさとしのかぼちゃの思い出をほんの少しお伝えしています。

2025年10月18日サザエさんをさがして トーナス

『絵本への道』(1999年福音館書店)で触れている絵描き遊びにも「サザエさん」がある