編集室より

一度見たら忘れられない表紙です。きりなし絵というそうです。

「こどもが絵本をみている絵があります。よく見るとその本の絵は子どもが絵本を見ているところで、そのまた絵本の絵が本をみている子どもで・・・と、どこまでもつづく絵のことです。」と『ぼくのいまいるところ』(1968年童心社)のあとがきに「大きな世界と小さい自分の存在の尊さ」と題して、かこさとしが書いています。

かこは小さい時こういう絵が大好きだったそうで、こう述懐しています。
「ふと気がつくと、その絵本を見ている自分がその絵の当人じゃないかと思いつき、おもしろさと、ふしぎな気分にいつまでもひたったものです。」

『ことばのべんきょう くまちゃんのいちにち』(1970年 福音館書店)は裏表紙(上)もきりなし絵です。

この本は15センチ四方と小型ながら中には可愛らしい動物たちの楽しい世界が広がり、面白さがぎっしり詰まっています。これは4巻シリーズの第1巻で、くまちゃんの1日を見ながら言葉を覚えられるようになっていて、あさのようじ、食事やおやつ、掃除や洗濯などの場面、外の遊び、そして部屋の中の遊びも2場面(写真上・下)ずつ描かれています。

お家遊びのヒントにしていただけたらと思いますが、「いたずら」はほどほどにお願いします。私がかつて遊んだ中では「おばけごっこ」が静かでいいわ、と評判が良かったのですが、驚かされる人が大声で悲鳴をあげてしまう恐れもあります。。。

「そとあそび」と「へやのなかのあそび」の場面は、新型コロナウイルス感染防止のため予定変更で5月12日から8月31日まで開催の愛媛県歴史文化博物館の展示会で『くまちゃんのいちねん』の絵と合わせて多数ご覧いただけます。