編集室より

2022/01/08

獅子舞

獅子舞を見ることはめっきり少なくなりましたが、思い浮かぶのは上の絵(『こどものカレンダー1月のまき・偕成社)のような赤い頭に緑の胴体で、元気に動き回って曲芸をしたり、見ている人の頭をかんで邪気を払ってくれると言われています。そもそも獅子とは一体何のことなのでしょうか。

英語ではライオンダンスといいますが、ライオンというとアフリカのライオンが想像され、中国ではアフリカのライオンが元になっている伝説上の動物だそうで、色合いなど日本の獅子とはイメージが異なります。

『こどもの行事 自然と生活 1月のまき』(2011年小峰書店)には日本の獅子舞について次のような説明があります。

(引用はじめ)
奈良時代より前に、中国からつたわった、豊作と健康を祈り、悪魔をおいはらうおどりです。いのしし、鹿、とら、りゅうなどの「しし頭」をつけておどります。
(引用おわり)

岩手の獅子踊りの頭にはシカの角があるのも納得です。かこは幼い頃、生まれ故郷の武生(たけふ)で見た伊勢大神楽の演じる獅子舞に感動したそうで、「振袖ししまい」として紹介しています。
 

『ならの大仏さま』(1985年福音館2006年復刊ドットコム)には、752年、大仏開眼法要の式典に続き披露された海外の芸能として伎楽の獅子舞の様子も描かれています。こうした長い歴史を経て様々な流れで獅子舞は現在にも伝わってきているのです。2022年が佳い年でありますように。