お知らせ

スズランの花が咲く季節です。スズランはアイヌの言葉でヌプキナ。2020年5月1日の「学校図書館速報」【選定図書から】コーナで、『青いヌプキナの沼』(2020年復刊ドットコム)を紹介しています。1980年この本が最初に出版された時のかこさとしの「あとがき」を改めて掲載いたします。

(引用はじめ)
同じ人間でありながら、肌の色や風習が違うと言うだけで、地球上では、いまだに争いや憎しみが絶えません。しかもそれは、中近東やアフリカの例に見るように、人間の心を救うはずの宗教がさらに対立を激しくさせていたり、インディアンや黒人問題に見るように、文明や開発の名のもとに非道なことが行われてきました。そしてそれらの事は、何も遠い国の古い事件ではなく、この日本でも起こっていたし、今なお形を変えて行われていることに気づきます。

強大な武器や圧倒的な経済力、あくどい策略によって、勝者は輝かしい歴史を書き上げます。しかし、反対にそれによって奪い取られ、追いはらわれ、閉じ込められた側には、わずかな口伝えしか残りません。そうした小さな伝説や名残の中から、ふと耳にした白いヌプキナ(すずらん)の花の物語は、涙の連なりのように私には思えました。汚れた栄光で見失ってはならないものを、埋もれてはならないものを、この国の中で、この国の子どもたちに知ってほしいと思ってまとめたのが、このお話です。 かこさとし
(引用おわり)
本文は縦書きで、全ての漢字にふりがながあります。

5月8日まで臨時休館中ですが、北海道ニセコ町の有島記念館「かこさとしの絵本展」では、この絵本の複製原画4枚を展示しています。

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  • 2020年5月1日 学校図書館速報版で『青いヌプキナの沼』紹介