作品によせて

2019/01/01

イノシシ

2019年の干支にちなみ、イノシシを探してみます。

イノシシが本来住んでいる所と言えば、、、『地球』にはイノシシの親子が秋の林の中にいます。食べ物を探しているのでしょうか。2018年11月に出版された『みずとは なんじゃ?』(小峰書店)では鈴木まもるさんがこの場面をオマージュして夏の景色に変えて描いていますが、そこにもイノシシの姿が見えます。

猪突猛進とまではいきませんが、『あそびの大事典 大宇宙編』(2015年農文協)パート3「しか くま ぶたちゃんのあそび」では様々な動物が勢いよく走っているこの場面に登場です。

筆者のお気に入りは、同パート「いのししがっこうのきょうしつです」の場面(冒頭の写真)。視力検査表の中にイノシシの足跡が見えます。シノシシの子、ウリ坊も愛らしいし(下)、教室の掲示物にも加古のユーモアがあふれています。動物尽くしの世界地図にイノシシは見当たりませんが加古はこういうデザインを考えるのが大好きでした。

そしてイノシシのお話といえば、月刊『母の友』(福音館書店)で過去4回にわたり掲載された「イノシシ先生」のお話。先生と言っても学校ではなく山の杉の木の横にある病院のお医者さん。花粉症になってしまった「クチュンクチュンのカマキリさん」など毎回くすっと笑える短いお話です。2018年の11月号では「イノシシ病院 救急車のまき」が加古の文、挿絵は孫のカメツヒロキで登場しました。かこさとしは、この「イノシシ先生」が気に入っていたのか他にもお話を書きためていたのが最近見つかりました。いつか皆様にご披露できればと思っています。

年頭にあたり加古の古いイラストでイノシシをご覧下さい。「龍の子太郎」とありますので1960年松谷みよこさん作の創作昔話を読んで自分なりに描いたもののようです。

本年が皆様にとって良き一年となりますようお祈りいたします。

2018/12/15

犬がいる

今年もあと何日ということがいわれるような時期になりました。「あとがきから」コーナーでご紹介してきた「加古里子かがくの世界」(福音館書店)6冊には、今年の干支でもある犬が登場するという共通点があります。気付かれましたか。

お子さんたちが本に親しみやすいように、加古の絵本では、子どもと一緒に犬や猫など小動物を登場させることがしばしばあります。科学の世界、電気や断面図はちょっと難しいと感じられるかもしれませんので、例にもれずワンちゃんが顔を出して興味をつないでいきます。

『でんとうがつくまで』(上) の表紙にいるのは耳が垂れて、白とちゃ色のこのワンちゃん。
『ごむのじっけん』(下)の耳が垂れている白い犬は前扉ではこんな風にゴムに興味シンシン。

ところが最後には、ちょっとかわいそうなことになってしまいます。(下)
これぞゴムの特徴、決して動物ギャクタイのつもりではありません。

『だんめんず』(下)のこの場面では、犬の本領発揮。吠える理由は、断面図で見れば一目瞭然という仕掛けです。

『いろいろおにおそび』(下)には珍しく黒い犬が子どもたちと一緒に、鬼遊びの場にいます。
これは裏表紙で[いろおに]をしているところです。オニが言った色、ここでは黒、を触っていればオニに捕まってもセーフという鬼ごっこです。この場面の子どもたちは、皆黒いものにさわっているので例えオニにタッチされても大丈夫だというわけです。

『ふたりであそぼ みんなであそぼ』(下)の表紙で勢いよく走る様子が印象的なのは、ちゃ色の毛で顔が白い垂れ耳ワンちゃん。元気一杯です。

『たこ』に出てくる白い犬とは随分仲良しのようです。後ろ扉(下)では遊び疲れた男の子と一緒に眠っています。凧揚げが大好きだった著者の幼い頃はきっとこんなだったのでしょうか。

筆者には、たこの「さ」の文字と2018年永眠した、かこさとしがこの絵に重なってしまいます。

残り少なくなってきた戌年、皆さまどうかお健やかにお過ごしください。

(2018年戌年最初の「編集室から」コーナーでも「気になる犬」という表題で加古作品に登場する犬のあれこれについて書きました。ご参考になれば幸いです)

2018/12/07

冬の赤い実

クリスマスといえばヒイラギの緑の葉と赤い実が思い浮かびます。『こどもの行事 しぜんと生活12月のまき』(2012年小峰書店・上)には、クリスマス・リースに「ヒイラギなど、寒さの中でも緑の葉をつける木をつかいます」とあります。永遠の生命とキリストの血を象徴すると言われていますが、正確に言うと赤い実をつけるのは西洋ヒイラギで、日本の柊の実は青紫色だそうです。

冬枯れのこの季節には緑の葉につく赤い実が目立ちます。『あそびずかん ふゆのまき』(2014年小峰書店・上)には〈あかいみをつける しょくぶつ〉として、ヤブコウジ、モチノキ、センリョウ、マンリョウが描かれています。

センリョウにはオレンジ色の実があったり、上の写真のようにマンリョウには白い実もあったりしますが、ヒイラギ同様何れにしてもこれらの花は白くて、あるいは薄緑色で小さく可憐。咲いているときは、さほど目立たないのですが、実ると目にも鮮やかな色となります。一緒に紹介されているナンテンも同じです。

スズランもご存知のように白い愛らしい花をつけますが、この実も真っ赤で花から想像される以上の大きさになります。すべての花が実になるわけではないらしいのですが、スズランは全草毒があり、花瓶にさしておいた水にもその毒が溶け出ているとか、びっくりです。

りんごやイチゴの花も白ですね。あんなに小さな白い花がこんなにも大きな実になるとは、本当に植物の力には驚かされます。雪に覆われない地域なら、木枯らしの中、赤い実探しはちょっと楽しいネイチャーゲームです。そんな冬の過ごし方はいかがですか。

下は、『かこさとしの食べごと大発見5 いろいろ食事 春秋うまい』(1994年 農文協)より

2018/11/27

かぼちゃ

かぼちゃというと、ハロウィンを連想されるもしれませんが、筆者が子どもの頃は、シンデレラのかぼちゃの馬車を思い浮かべたものです。
(下は『あそびの大惑星 5 こびととおとぎのくにのあそび』1991年農文協)

かぼちゃが大きく描かれているのは、2018年10月に刊行された『だんめんず』(福音館書店)のこの場面。硬そう、そして美味しそうです。

日本では昔から冬至かぼちゃといって、夏に収穫したかぼちゃを冬のこの時期まで保存して風邪の予防に食べてきました。スーパーマーケットの野菜売り場にも冬至になるとそんなことがポップに書かれているのを見かけます。

『かこさとしの食べごと大発見 9 まま人参いもパパだいこん』(1994年農文協・下)には「とうじにはとうなす(かぼちゃ)をたべます。かぼちゃのことを「なんきん」ともいいますが、このように「ん」が2つつく食べものを食べると、病気にならないといわれているからです」とあります。

『こどもの行事 しぜんと生活 12がつのまき』(2012年小峰書店)にも、かぼちゃの煮物が食卓に並んでいる様子が描かれ、説明には「こんにゃくやユズをたべるところもあります」

『食べごと大発見 5 いろいろ食事 春秋うまい』(1994年農文協・下)では「冬至のゆず かぼちゃ」に合わせて「かぜひき はなづまりのくすり」として、ねぎゆ、しょうがゆ、きんかんゆ、みかんゆ、レモネード、だいこんあめ、黒豆汁などが並びます。

この本から引用します。
(引用はじめ)
12月8日は火を使うところは、「ふいごまつり」ぬいものをするところは「はりやすめ」といって仕事をやすむ日となっていました。
(引用おわり)(漢字には全てふりがながあります)

ふいごまつりは、もともとは旧暦の11月8日に行われていたもので現在の12月半ばにあたり、「はりやすめ」は、針供養と言われて2月8日に行う地域もあるそうです。そして12月8日で忘れてはならないのが、太平洋戦争開戦の日であるということです。

前出の『こどもの行事 しぜんと生活12がつのまき』には、この戦争について次のような一節があります。本文を一部ご紹介しましょう。

(引用はじめ)
戦争によって、おおきな犠牲を日本国民だけでなく、ほかの国々の人々にもおよぼしたことをよく考え、戦争のない真に平和な世界をつくるために、まず日本は真剣に平和な世界の実現を追求しなければならないとおもいます。
(引用おわり)(漢字には全てふりがながあります)

戦争中、食料難でお米の代わりに食べたのがサツマイモやカボチャ。「何が何でもカボチャを作れと言われ、狭い土地でも地面があれば耕し種まきをさせられた」と加古は語っていました。「イヤというほど食べた」ので、ずいぶん長い間、すすんでかぼちゃを食べることはありませんでした。

そんな時代のことを綴ったエッセイ「白い秋、青い秋のこと」(『子どもたちへ、今こそ伝える戦争 』2015年講談社)に添えられている挿絵に描かれているのは、お世話になった医師とかぼちゃ。

「何がなんでもの 南瓜も食わで 征くか君 」昭和十九年夏 三斗子(さとし)

今年の冬至、病気にならないことを願い、平和でかぼちゃが食べられる幸せを心して味わいたいと思います。

しばらく品切れ状態が続き重版が待望されていた『すばらしい彫刻』(1989年偕成社)が2018年11月に印刷されました。かこさとし自らが出版を依頼した唯一の絵本『美しい絵』(1974年偕成社)から15年を経て刊行された姉妹編ともいえるのが本作です。著者の言葉は、2016年7月16日に当サイト「あとがきから」でご紹介しましたので是非ご覧下さい。

かこさとしと彫刻との出会いは、いつ頃だったのでしょうか。
生まれ故郷福井県越前市で通っていた幼稚園は引接寺(いんじょうじ)という1488年に建てられたお寺にありました。総ケヤキ造りの山門には彫刻があるほか境内には古い石仏などもあり、幼い頃にこのようなものを目にしていたはずです。

東京に転居し1942年中学生の時、上野で開催されたレオナルド ・ダ・ヴィンチの展示会を見て驚愕したそうです。以来、ダ・ヴィンチに魅了され、興味が深まっていくのですが、その時に上野で見た彫刻のスケッチが残っています。西郷隆盛の像、ロダンの「考える人」や「カレーの市民」の歩む人の足元が、色が変わってしまった古いわら半紙に、せいぜい4-5センチくらいの小さなものですが鉛筆で走るようなタッチで描かれています。これだけ見ると中学生の手によるものとは信じがたい手慣れた線ですが、『過去六年間を顧みて』(2018年偕成社)を小学校卒業時に描いた加古ならば、合点が行く描きっぷりです。

『すばらしい彫刻』でとりあげられているミロのビーナスの思い出は、高校にあったミロのビーナス像に始まり、ゲートルを巻いた加古とのツーショット(『別冊太陽』に大きな写真掲載)が残っています。そして終戦後初めての五月祭、大学2年生だった加古はミロのビーナスの版画を作成(当ウェブサイトのプロフィール1946年に掲載)したほどです。

『すばらしい彫刻』に紹介されているエジプトのアブシンベル神殿・ラムセス2世の像や奈良の大仏なども加古が長年興味を持ち研究していたものです。1985年に『ならの大仏さま』(福音館・現在は復刊ドットコム)、1990年に『ピラミッド』(偕成社)を出版していることからもわかります。

そしてこの本の最後には、あの上野で見たロダンの作品が取り上げられています。『すばらしい彫刻』で古今東西のすばらしい彫刻とそれを作った芸術家、そしてそれを見て感動した加古里子と出会っていただけたらと思います。

金木犀の香り漂う候となりました。季節ならでは自然の香りは良いものです。

秋の香りで連想するものといえば、松茸でしょうか。食さずともせめて香りだけでも、と思ってしまいます。「においはマツタケオール、イソマツタケオール、ケイヒ酸メチル」と説明があるのは、『世界の化学者12か月』(2016年偕成社)9月の欄です。このページでは、9月に生まれ(1887年)亡くなった(1976年)スイスの化学者ルジカ(下)を紹介しています。

ルジカは「ジャコウの中に含まれている、かおりの化合物ムスコン、とジャコウのねこのかおりの成分、シベトン化学構造をあきらかにし」たばかりでなく、「ジャスミンの花にある、ジャスモンという化学物質をつきとめ」1939年ノーベル化学賞を受賞しました。

かこさとしふるさと絵本館がある越前市の「だるまちゃん広場」など武生中央公園では、例年より早く2018年9月28日から11月4日まで菊人形が展示されています。他では見たことのないような千輪菊、7本立ての大菊、懸崖や、動物や文字の形のトピアリーなど、1-2年かけて栽培されたものが所狭しと並べられます。

キクについて、この本の10月のページ(下)には「キク:花の色はアントシアン(赤)、カロチノイド(黄)。花のにおいは、ピネン、テルペンアルコール、しょうのう。」とあります。

10月には21日に生まれたノーベルの遺言によるノーベル賞が発表されますが、この本には、宇宙誕生から2016年までの「科学年表・科学の歴史」もあり、あとがきには制作にあたり、熱い思いでご協力いただいた多くの化学者の名前が列記されています。古今東西、研究に人生を捧げた科学者たちのおかげで私たちの現在の生活があるというわけです。

ところで、かこさとし」の遺稿「だるまちゃんとうらしまちゃん」(「母の友」10月号に掲載)をお読みいただけましたか。浦島太郎をモチーフにした読み聞かせにぴったりの作品です。『世界の科学者12か月』の「化学のちいさなお話」コーナーでは次のようにあります。

(引用はじめ)
「桃太郎、金太郎、浦島太郎をおとぎ話の三太郎、アボガドロ(Avogadro )、ベルセリウス(Berzelius)、キャベンディシュ(Cavendish)を化学の先覚ABCとよんでいます。
(引用おわり)

というわけで、この本の裏表紙(下)には、この三人の化学者が紹介されています。また、日本の化学者のすばらしい三太郎、鈴木梅太郎、長岡半太郎、本多光太郎についても本文で紹介しています。ちなみに表紙の六角形の三人はギリシャのタレス、アリストテレス、デモクリトスで紀元前の人々です。

読書の秋、文学も素敵ですが身近にある科学もお楽しみ下さい。

2018/09/18

月見だんご

花より団子ではないのですが、お月見でどうしても飾りたいのはススキに秋の実りとお団子。月餅を飾ったこともありましたが、白いまんまるのお団子を盛り、翌日、甘辛く煮てもらって食べるのが幼い頃は楽しみでした。

そんな風物詩を描いているのが、『ことばのべんきょう くまちゃんいちねん』(1971年福音館書店)や『こどものカレンダー』(1975年偕成社)です。

お月見が表紙になっている『こどもの行事 しぜんと生活 9がつのまき』(2012年 小峰書店・上)では「中秋の名月」にちなみ〈月の形と名前〉〈月とウサギ〉、〈月の位置とみちかけの形〉〈月の形と出入りの時間〉など、大人でも正確に説明するのは難しい事柄がわかり易くイラストで示されています。

この本の表紙及び裏表紙の絵は、藤沢市役所の1階に9月いっぱい展示されていますので、近くにお住まいの方は是非ご覧下さい。(2018年12月まで毎月、その月の本の表紙絵に掛け替えています。)

『いろいろ食事 春秋うまい かこさとしの食べごと 大発見 5』(1994年農文協・下)には、〈月見だんごのつくり方〉まで載っています。

「だんごの数は、ふつう15ですが、ところによっては、12(平年)、13(うるう年)のときもあります。」と説明があって、三宝に美味しそうに飾られているお団子の絵があり、ここでクイズが出題されます。

「15のだんごのをつむには、どのようなかたちにしたらよいでしょうか。また、12や13のときはどうつみますか?」

ヒントは、一番上は1つ、その下は4つでこれは、お団子がいくつであっても同じです。

「答えは後ろの見返し」とありますが、特別に答えをお知らせします。2018年は9月24日が十五夜だそうです。きれいに積んだお団子とともに、お月見をお楽しみ下さい。

2018/09/12

秋の遠足

遠足シーズンといえば春か秋ですが、暑さが厳しい近年はその時期を選ぶのも難しそうです。絵本の中を覗いてみましょう。

「、、、きょうは、とても いいおてんきだから、みんなで えんそくに 行きましょう。」この声に歓声をあげて 「🎶チロ チロ パッパ」と遠足に出かけるのは『おたまじゃくしの101ちゃん』(1973年偕成社)。
途中で101ちゃんが迷子になってしまったらしく、事件が起こります。

元気いっぱい山登りするのは『あかいありのぼうけんえんそく』(2014年 偕成社・下は前扉)。題名に「えんそく」の文字がありますが、物語はこう始まります。

「あきになりました。えんそくに よい きせつです。あかありしょうがっこうでは、いちねんせいから ろくねんせいまで、ぜんぶのせいとでそろって「あきえんそく」をします。」

ところがその遠足の場所はどうやら難所もあるらしくPTAも同行しての一大イベント。秋の草花を背景に遠足の行列が進んで行くと「ぼうけんえんそく」の名にふさわしく様々なハプニングが起こります。虫好きさんには大人気ですが、ちょっぴり怖い方もいらっしゃるかもしれません。

「 どくしゃへ ごちゅうい!! きをつけて ページをひらいてください!」

こんな注意書きがあるのは加古作品の中でこの絵本のみです。しかし、実はもっとあぶない遠足もあります。

そうです。とっぷり日が暮れたこの場面。

「🎶 ぬきあし さしあし
しのびあし
どろぼうがっこうの
えんそくだ
それ!」

やっぱり遠足は、『ことばのべんきょう くまちゃんのいちねん』(1971年福音館書店)にあるように、秋晴れのもと素敵な景色をゆっくり眺めながら美味しいお弁当を食べて季節を満喫したいものです。

後ろ向きで絵を描いているのは著者でしょうか。秋は加古の好きな季節でした。

だるまちゃんシリーズは1957年刊行の「だるまちゃんとてんぐちゃん」に始まり2018年の最新三作「だるまちゃんとかまどんちゃん」「だるまちゃんとはやたちゃん」「だるまちゃんとキジムナちゃん」の全11作品(福音館書店)ですが、実はだるまちゃんを主人公にした絵本や紙芝居は他にもあります。

飯田の人形劇フェタに招かれ地元の皆様の切望にお応えして作成した「だるまちゃん・りんごんちゃん」(2013年瑞雲舎)は飯田の名産、りんごがだるまちゃんのお友だち、りんごんちゃんとして登場。人形劇もありのご当地色満載の楽しいお話です。(上が表紙、下は前扉)

社会福祉財団のジャンボ絵本になった「だるまちゃん きつねちゃん」「だるまちゃん はるのうた ふゆのうた」という作品は一般には販売せず、福祉施設に寄贈されました。

本ではありませんが、加古作品には、時折だるまちゃんやその仲間が登場しますので、探してみましょう。
『遊びの大星雲3みごとはなやかなあそび」(1992年農文協)「いろいろのはな さまざまないろ」(下)では季節による花の色の多少を示しているのですが、なんと「だるまちゃん」のみならず「かみなりちゃん」や「てんぐちゃん」も花を手に嬉しそう。見ているこちらも嬉しくなってきます。ちなみに白い花は一年を通して多いそうです。

『あそびの大事典 もりいずみ はらっぱの あそび』(2015年農文協)の「もみじのはのさきのかぞえかた」では、小さい絵ではありますが、だるまちゃん、てんぐちゃん、それに、からすもいます!

古い本ですが、この10月に限定販売の予定ですので、ご紹介しておきましょう。以下のようにだるまちゃんとてんぐちゃんが凧の絵になって登場のその名も『たこ』(1975年福音館書店)という科学絵本もあります。

だるまは、絵本の色々な場面で描かれていますが、それはまたの機会にご紹介致します。

「だるまちゃん」は、もちろん『だるまちゃんすごろく』『だるまちゃんしんぶん』や『だるまちゃんと楽しむ 日本の子どもにあそび読本(いずれも2016年福音館書店)でもたっぷり、たくさんのお友だちと登場します。すごろく、季節の話題、遊びを是非「だるまちゃん」と一緒にお楽しみ下さい。

夏休みのおやつ作りのヒントになりそうな本です。暑くて外出するのが億劫なときこそ、お家でレストランやカフェの気分はいかがでしょうか。前見返しには布ナプキンの素敵なたたみ方、前扉には「紙ナプキンのかざりおり」がいろいろと紹介されています。そのページにある著者の言葉は以下です。

デザートですか? おやつですか?

(引用はじめ)
この本はおもにくだものやお菓子について書いてあります。あなたは、食事がすんだあとのデザートとして食べるのが好きですか?それとも食事と食事の間のおやつにめしあがりますか?どちらにしてもすばらしいことですね。

わたしの年がわかって癪ですが、わたしのちいさいころ、ビスケットやリンゴなどは、りっぱな食料で、それで何食も何日もすごすなど、めずらしいことではありませんでした。いまでも世界のどこかで、うすいおかゆや山野のくだもので飢えをしのいでいるというニュースに、胸が痛みますが、デザートやおやつをとるというのはそれだけ食料が豊かで、経済的にめぐまれているだけではなく、主食とちがった味を楽しむこころのゆとりがあるということです。

ぜひ、その広い豊かな心のゆとりを、よりよきものへ、より高いものへむけて、もとめ、すすんでくださるよう、くだものやお菓子にかわってお願いします。
(引用おわり)
本文では全ての漢字にひらがながふってあります。

このシリーズには、今までもご紹介したように前書きやあとがきに当たる言葉以外にも〈この本のねらい〉や大人に向けての著者のメッセージがきわめて多く掲載されています。
次にあるのは、通常のあとがきに当たる部分です。

色やかおりも、だから目も鼻も

(引用はじめ)
いまでは、あまりみられませんが、すこし前までくだもの屋さんの店先で、しょっちゅうりんごやネーブルをピカピカ、ツヤツヤ布でふいてならべていました。

また、お菓子屋さんのショーウィンドの前で、子どもといっっしょにしゃがみこんで、「あれがほしい」「これが食べたい」と長いこと鼻をつけていたことがあります。

いまでもくだもの屋さんの店先やお菓子屋さんの飾り窓は、ほかのお店先には悪いほど、とてもきれいで、鮮やかな彩りに満ちあふれています。色ばかりではなく、ふつうの食べものより、ずっとずっとすてきなにおいや、かおりがただよってきます。

お菓子は、つくる人が色やかおりも考えてつくったものですし、くだものも動物や鳥が、好んで食べ、種子を広めてくれる作用が、進化の過程で目立つ色やにおいのよいものを残し、人がさらに改良栽培した結果でしょう。

したがって、ただお腹がふくれ、栄養があればよいというのではなく、くだものやお菓子では、色つやの美しさやまろやかさやつりあいのとれた深みなどが大切なこととなります。どうぞこの本で、見出された新発見をふくめ、たっぷりゆっくり目も鼻も舌も、お楽しみください。
(引用おわり)

そして最後には大人にむけた以下のようなメッセージがあります。

健康と生活をじぶんで律する力

(引用はじめ)
甘いケーキは虫歯になる、くだものも糖分があるから肥満のもとという人がいます。活発な成長期の子供には、お菓子やくだものは第4の食事の役を果たしますが、ただむやみに飽食過食したのでは、必ずどこかに問題が起こります。食前食後の処理や始末はもちろんあそびやスポーツ、家事手伝い、そして労働など正しい生命の燃焼である身体各部の運動活動がなければ、健康を損なうこととなります。

嗜好品と呼ばれるように、食べるかどうかは本人の選択なのですから、自らのからだや生活を自ら律し改良する力をもつきっかけとなるよう、ぜひお菓子やくだものを利用し、指導されるよう期待いたします。
(引用おわリ)