『こどもの行事 しぜんと生活12月のまき』(2012年小峰書店)
2018年1月から藤沢市役所1階に毎月かけ替えていただいていた『こどもの行事 しぜんと生活』の表紙絵もいよいよ最後となりました。12月のまきは、ご覧のような絵。それぞれ何か持ってうれしそうですが、特に羽子板を持っている人たちの笑顔が印象的です。本文にはこうあります。
(引用はじめ)
「年末に、各地で羽子板をうる市がたちます。はねつき用の羽子板ではなく、はじめての正月を迎える女の子のいる家へのおくりものとされています。羽子板でつく羽子(はね)が害虫を食べるトンボににていることから、わるい虫、わざわいや病気をおいはらうとされました。また、羽子板は正月の飾りにもなっています。」
(引用おわり・全ての漢字にはふりがながあり、本文は縦書きです)
さて、平成最後の師走。この本のあとがきを是非お読み下さい。
12月あとがき
すすむ世の中にふさわしい行事
(引用はじめ)
これまで、1年間の様々な行事を見てきました。日本に住んでいた先祖の人々が、工夫と努力を重ね、神やいのりを心の支えとし、さらに中国などの海外から伝わるならわしをとりいれてきた様子がわかりました。
その中で12月の行事にアエノコト、針供養、なまはげがありますが、同じような行事を他の月にする地域があることから、長い年月をかけてつたわっていく間に、それぞれの地域に合った形になったとかんがえられます。
こうしたことから、私たちの祖先は、いろいろな事柄をとりいれて生活を保ち、その地域と時代に合った行事に仕上げてきたことがわかります。
ですから、いまを生きるわたしたちは、ただ古いからではなく、先人が伝えてきた思いの重点はなにかをかんがえ、現在の生活とこれから来る未来にふさわしい行事を、自分たちの手でまもり、つくり、そしてすすめていかなければいかなくてはならないのではないでしょうか。
(引用おわり・本文は縦書きで漢字には全てふりがながあります)