編集室より

ラグビーの熱戦が繰りひろげられていますが、『遊びの大宇宙 1おにごっこ じんとりのあそび』(1990年農文協)には、数多くのおにごっこや球技、綱引き、石蹴りなどが紹介されていて、その1つが上の「ラグビーごっこ」です。「ごっこ」ですから本物のボールではなく、ドッジボールや身近にある軽い素材で簡易に作ったボールを使って遊びます。

側で見ている猫のセリフがふるっています。子猫に向かって「いいかい そばへいくと まちがえられて あぶないヨ」

かこさとし考案「ラグビーあそび」も登場しますが、ルールの最後に「すこしくらいのことで、ないたり おこったり するようでは、ラグビーを たのしむことはできませんよ。」とあり、以下のようなメッセージもあります。(漢字にはふりがながあります)

(引用はじめ)
「おしくらまんじゅう」や、「ラグビーごっこ」の楽しさは、こども同士、からだを動かし、はだををたがいにくっつけあって、全身で遊ぶところです。仲のよいなかまであれば、たおされたり、さわられることで、ますますしたしみが増し、おもしろさがふえてくるものです。
(引用おわり)

現在ではこのシリーズ全10巻を合本にした『あそびの大事典 大宇宙編』の第1パートの最後に『おにごっこ じんとりのあそび』の「あとがき」が収められています。

外あそびの すばらしさ かこ さとし

(引用はじめ)
子どもは、大人とちがって成長するものです。細胞がふえ、体は大きく、骨は強く、筋肉がしなやかになっていきます。その伸びてゆくものを、適切につかい、きたえ、活動させることが、次の成長の力となります。だから子どもは、ほうびや無理なすすめがなくても、かけまわり、動きまわるものです。そのため戸外で体を大きく動かす子どもの遊びは、特に大事です。この伸びゆく者の、全身の楽しい遊びを集めたのがこのパートです。
(引用おわり)

「おしくらまんじゅう」を見かけることは、ほとんどなくなってしまいましたが、「ラグビーごっこ」に名をかえた「全身の楽しい遊び」が盛んになればと思う今日この頃です。

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