かこさとしと演劇
11月27日は四谷怪談を書いた鶴屋南北、そしてアメリカの劇作家でノーベル文学賞を受けたユージン・オニールが亡くなった日です。大学時代に演劇研究会には入っていたかこは洋の東西や時代を問わず、芝居には大変興味を持っておりました。
『こどものカレンダー11月のまき』(1975年偕成社)ではその日に合わせて「おしばいができるまで」というタイトルで、脚本家、演出家、舞台監督、衣装、化粧、効果、照明、音楽、装置、宣伝、総務など俳優以外の人々が働いたり考えたりしていると紹介、プロンプターや演出助手にも触れているほどです。
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『うつくしい絵』(1974年)『すばらしい彫刻』(1989年いずれも偕成社)に続き演劇の絵本も作りたいとよく口にしていました。もし演劇の本を作るとしたら、まず入れたいのは人形浄瑠璃・文楽と申していたのが大変印象的で忘れられません。
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その文楽については『こどものカレンダー3月のまき』(1976年偕成社)であやつり人形と共に紹介しています。[おうちのかたへ]というメッセージには、次のようにあります。
(引用はじめ)
文楽の名前は知っていても、実際に見たことのある方は案外少ないものです。できたらテレビより劇場でいちどご覧になることをおすすめします。
(引用終わり)
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演劇の本といえば、シェイクスピアやチャプリン、あるいはオーソンウェルズを取り上げるのかと想像していたので意外でした。出版は叶いませんでしたが、『こどもの行事 しぜんと生活4月のまき』では壬生狂言について触れていますし、『だるまちゃん・りんごんちゃん』(2003/2013年瑞雲舎)に飯田の人形劇を登場させるあたり、演劇にこめたかこの思いをかいま見ることができます。
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ところで、かこが大学時代、演劇研究会で担当していたのは舞台美術で、その精緻なデザイン案は現在、群馬県立館林美術館で開催中の「かこさとしの世界」展で展示しています。
下はその一枚、昭和22(1947)年5月18日東京大学五月祭で上演のアンドレ・ジイド作「13本目の木」の舞台案です。
是非、まじかでご覧ください。
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