編集室より

2024/03/11

円周率 3.14

円の周りは直径の3.14倍と習ったのは小学生の時。

3月14日は、パイπの日。なるほどです。πというのはギリシャ語の「周」を意味する単語の頭文字をとって「パイ」とよぶように」なったと『こどもの行事 しぜんと生活 3月のまき』(2012年小峰書店)にあります。

この本によると紀元前2000年頃、古代バビロニアの粘土版に、そして紀元前1800年頃の古代エジプトのパピルスにすでに記録があるそうです。そして古代ギリシャのアルキメデス(紀元前3世紀頃)は、22/7 つまり3.14286と計算したそうです。

円周率はキリが良ければ簡単ですが、そうではないので歴史が始まってから多くの学者が正確な値を追求してきました。その後もプトレマイオス、祖沖之(そちゅうし)、アリヤバータ、日本人の松村茂清、関孝和が得た円周率がわかりやすい絵と表で紹介されています。

現在ではコンピューターにより30兆以上の桁まで求められているそうですが、実際に使われる際には3.1416ぐらいだそうです。『新装版 科学者の目』(2019年童心社)によれば、その数値をいち早く計算したのは、アルキメデス同様の方法で、しかし独自に約率22/7、蜜率355/113を算出した中国の祖沖之(429-500)とあります。

この人のえらさを加古は次のように書いています。
(引用はじめ)
たんに古い時代にπの値を細かに求めたことにあるのではなく、実際に必要な範囲を見きわめ、約率と密率という二種の値を提出した点、そこに科学者の目を働かしたところだとわたしは考えている。
(引用おわり)