編集室より

1970(昭和45)年に出版された『ことばのべんきょう』シリーズ(福音館書店)は言葉を覚え始めたお子さん向けの軽量で持ちやすい小さな4冊の絵本です。

1970年といえば小さいお子さんを持つご両親が生まれる前、おじいちゃんおばあちゃんの世代にむしろ近い頃でしょうか。若い方々もあまり知らないものが登場していて親子で言葉の勉強になると聞いたのは随分前のことです。

つまり、今はなき昭和時代の懐かしい?あるいは見たこともない物が登場しているのです。


例えば、シリーズ最初の『くまちゃんのいちにち』朝の場面、牛乳受けがあります。筆者が幼かった昭和30年代、まだ暗いうちから瓶詰めの牛乳を自転車で配達する音が聞こえてきて目が覚めたものでした。

下駄箱という言葉は健在でも、お家の下駄箱に下駄が入っているのはきっと稀なことでしょう。

お父さんの身支度の様子、ネクタイピンをする方は、今はほとんどいらっしゃいませんね。ちり紙は、今のようなテイッシュペーパーが普及する前は半紙の半分ほどの大きさのものが束になって売っていました。必要な分を取り出し4つ折にしてポケットに入れたものです。

炊き上がったごはんをおひつに入れておく、ということもほとんどなくなってしまいました⋯

黒いダイアル式の電話を使ったことがあるのは昭和生まれでしょうか。スーパーマーケットのレジの風景も変わりました。旅先でお土産としてペナントを買ってくるのが当時の流行でした。ご当地ものを集めるのに似ています。そして記念写真を貼ったアルバム。今はすっかりデジタルになってしまったのでしょうか。

出版から半世紀の時間が過ぎ、昭和時代の衣食住の言葉を知りたい時にもお役にたつ絵本なのかもしれません。