編集室より

2021/01/07

オーロラ

オーロラという言葉が神秘的に感じられるのは、その光と色が幻想的な上に、宇宙で起きる現象だからでしょうか。 

日本の空では、北海道の一部を除いてなかなか見られませんが、本の中で眺めてみましょう。

宇宙のことですから『宇宙』(1978年福音館書店)で確認すると、30ページ(上)、地球の極の上空にオーロラが描かれています。その原因については38ページに次のように説明されています。
(引用はじめ)
ときどき たいように ばくはつや じきのみだれが おこると バースト とよぶ つよい でんぱや たくさんの りゅうしが あたりに とびちります。そのみだれや りゅうしが ちきゅうに そそぐとき じきあらしとなって つうしんの じゃまをしたり うつくしいオーロラの もとにになったりします。
(引用おわり)

題名にズバリ、オーロラとある『よあけ ゆうやけ にじやオーロラ』(2005年農文協)では、太陽の光と熱に関して、太陽や月のかさ、陽炎や逃げ水、蜃気楼、そして後ろ見返しではブロッケンの輪、反射虹についてもふれています。

そして、さらに太陽の出す電気を帯びた粒による不思議な現象としてオーロラを「たいようかぜと くうきが けいこうランプのように きれいな ひかりを つくったもの」と、紹介しています。

オーロラを背景に物語のクライマックスがおとずれるのは、『サン・サン・サンタ ひみつきち』(2019年白泉社)です。クリスマスのお話でしょ?と思われるかもしれませんが、お話の前半は、クリスマスのために長い時間をかけて氷の下で進む、秘密の作業が次第に明らかになって、きっと目が釘付けになります。そしてオーロラの出現とともに隠れていたものの姿が次々あらわれます。

科学絵本であれ、ファンタジーであれ、オーロラは私たちの心をひきつけることに変わりありません。