編集室より

桃、栗、梨、柿

投稿日時 2025/09/18

桃、栗3年、柿8年。
実るまでの目安がこのように言われていますが、もうすぐ柿や栗が実る頃です。
よく耳にする五穀豊穣に加え、五果と言われるなりものも昔の人々にとっては大切な食料でしたので、昔話にしばしば登場します。

下の絵は『あそびの大惑星7 ももくりチョコレートのあそび』(1991年農文協)からです。

同シリーズの5『こびととおとぎのくにのあそび』(1991年農文協)には、こんな絵があります。

桃太郎は栗太郎と双子で、弟は柿次郎、その弟は梨三郎。

一方『こわや おとろし おにやかた』(1986年偕成社・下)では、桃太郎、梨次郎、柿三郎と季節が進むにつれ実る順番になっています。

桃太郎にこんな兄弟がいるのをお父さんがご存知かどうかはわかりませんが、加古が1950年代に昔話を調べ「いろいろな果実やなりものから子どもが生まれてくる話があり」「なぜたくさんあるのだろうか」と考えたと、この絵本の後書きに書いています。

その「あとがき」は以下です。

「こわや おとろし おにやかた」あとがき

『かこさとし童話集⑤日本の昔話』(2023年偕成社)には、「なしなし なしばなし」として「白なしどんべえのはなし」「青なしぎんぞうのはなし」「赤なしげんたのはなし」の三話が収録されています。

また「かきの木 一本かき 一つ」という柿にまつわる作品や、短編の「くりむかし かきむかし」、長編の「くりひこ うりひめ」が収めてあり、昔の人々がこういった果物に特別な気持ちを寄せていたことがわかります。

梨や柿が実るこの季節、ぜひお話しも一緒に味わっていただけたらと思います。

下の絵は『こわや おとろし おにやかた』より。