編集室より

2016年7月3日、愛知県刈谷産業振興センター小ホールで開催された講演会には他県からご参加の方もあり150人以上の皆様が集まられ熱心に耳を傾けてくださいました。

講師は、加古総合研究所の鈴木万里。100枚以上の写真・画像をご覧いただきながら、加古のデビューまでの三十数年間を振り返りました。

自然の中で鋭い観察眼を養った幼年時代。絵を描くことに目覚めた小学生時代。文学に興味をもった高校時代。演劇研究会に入っていた大学時代、そして社会人となりセツルメント活動で子どもたちと過ごした試行錯誤の日々で生まれた物語や紙芝居の数々。

皆さん、興味津々でご質問からも加古作品をこよなく愛読してくださっていることがわかりました。お答えする中で、加古が唯一自ら企画した「美しい絵」出版のいきさつもご披露しました。

講演会場とは別の部屋いっぱいに、加古の著作が並べられていました。中には、本年復刊された「しろいやさしいぞうのはなし」の元になった「ぞうのむらのそんちょうさん」や「わたしのかわいいナミちゃん」「ゆきこんこん あめこんこん」(いずれも偕成社)など、今となっては大変貴重な本もあり、皆さん手にとってご覧になっていました。

中心話題であるセツルメント活動のご紹介パネルも掲示しました。

残念ながら全員は写っていません。。。列の端の方、せっかく並んでいただいたのに失礼いたしました。。。

「ゆきこんこん あめこんこん」(1987年)
この作品は2部からなり、第1部は、なかじままりがコンクールに応募し入選した紙芝居で、画面は第2場面。第2部は、かこさとし「ひが さんさん あめ ざんざん」。

あとがきの最後の部分を引用します。
(引用はじめ)
子どもたちが知っている、親しい主人公たちが、野山や風雪や太陽の光のなかで、自然につつまれ、のびやかに生活する喜びを、この二部作で伝えられたらと考えています。
(引用おわり)

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