編集室より

2023/12/11

絵本の題名

『からすのパンやさん』と同様に出版50周年の『おたまじゃくしの101ちゃん』(偕成社)は、元は「市べえ沼の大じけん」という題名で、手描き紙芝居や幻灯にして川崎セツルメントの子どもたちに見せていました。

ところが、「いつのまにか、題名が今のようにおきかえられてしまいました。わたしはたびたびもとの題にしようと試みたのですが、子どもたちまでが、「あのおたまじゃくしの話をしてよ。」といって、市べえ沼とは誰もいってくださらないのです。」とあとがきにあります。

それが理由でいろいろなことがあったのですが、結局は「多くの方がたが選んでくれた『101ちゃん』」になりました。

そして今年出版10周年の『からすのパンやさん』の続きのお話四話の題名も実は「市べえ沼」のように加古が考えた地名入りの題名でしたが、出版の段階で現在のような題名となりました。

現在越前市の絵本館で開催中の「からすさん大集合」では、その経緯がわかる手書きの原稿コピーも展示しています。ご来館の際はお見逃しなくご覧ください。