編集室より

みんなこどもから教わった

『人間』至上主義排し歴史追求

愛媛県歴史文化博物館で開催中の「かこさとし絵本展」の見どころを学芸員さんの解説で紹介するシリーズの第6回目は、『人間』(1995年 福音館書店)について。

『かわ』(1962年)『海』(1969年)『地球』(1975年)『宇宙』(1978年)に続く科学絵本シリーズの総合ともいうべき本作品の制作にはおよそ17年の歳月がかりました。生き物としての人間、社会や歴史、文化の面を「科学という知の力」を借り、「人間至上主義を排し」て描いたと、あとがきにあります。

下の絵は最後から2番めの場面「死の恐れと悲しみをこえて」。
人間が遭遇するであろう身体的苦しみ、症状や病名、そして命が尽きると起こる症状にまで言及しています。

この場面上部には、生命誕生以来およそ40億年ずっと私たちにひきつがれている「生命の設計書」が描きかれています。そして最後の場面には「150億年の宇宙、46億年の地球の歴史を秘めている人間」と「母なる地球の海水をたたえている人体」がいて、記事でも引用されている次のような言葉で終わります。
(引用はじめ)
このように、その細胞や脳や体や心に、宇宙・世界・地球の、歴史と現在と未来とをやどしているのが人間です。
その人間のひとりがあなたです。
そのすばらしい人間が、君なのです。
(引用おわり)

『人間』のあとがき全文は当サイトの【編集室より】の「あとがきから」(2020年3月)にあります。

愛媛県歴史文化博物館の展示では、この絵の他にも『人間』の複製画をご覧いただけます。

以下で『人間』などを展示している会場の様子をご覧ください。

「かこさとし絵本展」は子どもたちへのメッセージ

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  • 2020年7月18日 愛媛新聞・愛媛県歴史文化博物館「かこさとし 絵本展(6)」