編集室より

今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

新年恒例の干支探しをはじめましょう。
辰年、龍といえば真っ先にこの絵が思い浮かびます。
中国では龍は皇帝のシンボル。子どもの日の鯉のぼりは、鯉が滝を登って龍になるという中国の故事からきています。

『えびすどん おばけどんのあそび』(1991年、現在は『あそびの大事典』2015年いずれも農文協)には下の絵に次のように説明があります。

「ちゅうごく インド にっぽんなどのりゅうは うみや あめの かみさまで てんにいて めでたい しるしと されています。」

一方、「ヨーロッパの ドラゴンは はねと どくの ある しっぽを もっている
あくまで じめんの したの ほらあなに すんでいると いわれています。」(下)

日本の昔話にも龍はたくさん登場します。
『あわびとりのおさとちゃん』(下・2014年復刊ドットコム)では、ゴズリュウを利用して民衆を苦しめる「なぬし」の悪意を知ったおさとちゃんが、一大決心をしてゴズリュウに挑みます。

『かこさとし童話集 第4巻日本のむかしばなし その1』には加古のふるさと福井県に伝わる「九頭竜の話」、同第5巻には、晩年四十数年暮らした地にまつわる龍のお話「腰越江島縁起伝」を、収めています。

そして裏表紙の絵は各巻共通でタツノオトシゴがいます!

タツノオトシゴといえば、もちろん『海』(1969年福音館書店)にも描かれていますし、

小学校卒業を記念して6年生の時に作成の画文集を出版した『過去六年間を顧みて』(2018年偕成社)を見ると、4年生の夏休みの作品展で特等をいただいた水の中の様子の工作にタツノオトシゴが描かれています。

かこ自身をモデルにしたカッコーはくしがヨーロッパ風のドラゴンをつかまえる『カッコーはくしのだいぼうけん』(下・2022年復刊ドットコム)は7つの首がある「ななくびりゅう」を相手にカッコーはくしの大活躍が楽しい物語です。この一場面は藤沢市本庁舎1階ロビーに展示中です。

辰年にちなんで、龍のお話をどうぞお楽しみください。