2025年5月11日福井新聞「越山若水」で『宇宙』(1978年福音館書店)を紹介
投稿日時 2025/05/11

子どもの読書週間が5月12日に終わるのを前に「「考える」ことへと誘ってくれる⋯本との良い出会いを期待したい」と結んでいる福井新聞1面の「越山若水」で加古里子(かこさとし)著『宇宙』を取り上げていただきました。
この科学絵本はノミのジャンプという思いがけないところから始まるので有名ですが、それは人間が宇宙に飛び出すには高く速く飛ぶことが必要ということの発端として、身近な例から少しづつ理解の範囲を広げてゆくという加古の手法です。
こうして順を追って61ページある本文の31ページなってようやく地球の重力の影響を受けない宇宙空間に達することがことができるようになり、そこからが本格的に宇宙探索となります。
『宇宙』の表紙に描かれている国立野辺山天文台は加古がこの本を執筆している当時は建設中でした。この絵の右下には小さく車が描かれていてこの天文台のアンテナの巨大さがお分かりいただけることと思います。
宇宙はこの本が出版された時に比べ遥かに私たちの生活に密接に関わってきています。大人の方々にもお子さんたちにも手に取っていただけたらと思う絵本です。本書の最後にはこう書かれています。
「この おおきな うちゅうは にんげんが はたらいたり かんがえたり たのしんだりするところです⋯あなたの かつやくするところです。」