編集室より

絵本館情報

加古は多数の作品をつくりました。絵本はきっとご存知のことと思いますが、全作品の1/4が紙芝居で、しかもその多くはまだ出版されていないのです。手描きで中には脚本(文)が書かれていないものもあります。それは、加古自身が演じるので頭の中に文章はあったからなのです。

そんな紙芝居を全部紹介しているのが『かこさとしと紙芝居』(童心社・上)です。

加古のふるさと越前市で開催、第1回から審査をしていた越前市紙芝居コンテストの表彰式がふるさと絵本館で行なわれました。今年です第14回となり、回を重ねて応募数や内容も継続の意義を感じられるものとなって発展してきています。

今回は中学生の部も設けられ、様々な年齢層からの応募に嬉しい悲鳴です。皆様もぜひ応募ください。

表彰式の写真は越前市ふるさと絵本館提供

かこさとしゆかりの地

投稿日時 2026/02/10

かこさとしの生まれ故郷は現在の福井県越前市です。
小学校2年生の6月10日に東京に引越すまで、自然の中で存分に遊んだ日々は生涯の宝となりました。
市内では一度引越しをして、最後の一年ほどは現在のハピラインふくいの武生駅の裏側に住んでおりました。

郷里武生(たけふ)の記憶と題する絵には兄姉と幼い加古の姿、『未来のだるまちゃん』より

『だるまちゃんの思い出 遊びの四季』はエッセイト賞受賞の名文、幼い日々の克明な記憶に驚かされる

東京では、4年生1学期までは板橋の借家に住み、近所のあんちゃんとの出会いによって、絵を描くことへの興味が一層膨らみ、生涯の師匠と語っています。

その後、兄の歯科医院開業に合わせて板橋の中で転居、戦争で焼失するまでそこに住みました。この場所については『過去六年間を顧みて』(2018年偕成社)に手書きの詳しい地図が掲載されていますので、お近くの方がご覧になれば現在のどのあたりかお分かりになることでしょう。

5年間の中学校生活は次第に戦時色が強くなり、配属将校から航空士官になることを勧められますが、視力が弱く体格検査も受けられず、高校に進学します。

高校2年生になると寮に住まい勤労動員で三交代で働らき、3年生はなく、切り上げで卒業。帝国大学に入ったものの空襲で板橋の家を失い、父親の郷里三重県に疎開し、そこで8月15日の玉音放送を聴きました。

9月から大学が再開され、住むところもないまま東京に戻り、あちらこちらに居候しながら大学を卒業。化学会社に就職し東京や川崎にあった社員寮に住んで勤務しました。結婚を機に現在の川崎市幸区に住み、セツルメント活動を1970 年藤沢に転居するまで続けました。

こうして藤沢には、亡くなるまで50年近く住んだことになります。

ですからかこさとしのゆかりの地は福井県越前市、東京の板橋、川崎市幸区、そして藤沢の4カ所といえます。

しかしながら、加古は会社を辞めてから全国各地に講演に出かけ伺っていない県はないと申しておりました。きっと皆さまのお近くにも行ったに違いありません。その活動を通して『伝承遊び考』(小峰書店全4巻)に収録されている、今では知ることができない貴重な資料を集めることができました。

その最後の巻『じゃんけん遊び考』には、加古が訪れた1000会場を超える場所についての記載もあります。もしかしたら皆さんの町のお名前があるかもしれません。ゆかりとは言えないかもしれませんが、機会がありましたら巻末のリストにお近くの場所がないか探されてはいかがでしょうか。

27ページにわたる講演会のリストには日本のみならず海外での講演も

生誕100年にちなみ ゆかりの地川崎でイベント

川崎市幸区はゆかりの地として、これまでも広報やセツルメント活動の中心的な場所だった三角広場での看板設置などに取り組んでいただきました。そして今年の生誕100年に合わせて、地元のみなさんが準備を重ねて、幸区の三角広場でお祝いの集をすることになりました。

日時:3月1日(日)10時〜15時
場所:幸区古市場第2公園(古市場1-45)
内容:読み聞かせ、クイズラリー、こども向けゲームなど。
雨天時は地域子育てセンターふるいちば(古市場1-1-3)で実施

幸区広報 3月1日 かこさとし

越前市ふるさと絵本館では100周年記念展示を通年で開催中

4月20日まではゆかりの作品に焦点を当てて展示、4月24日〜8月31日までは
かこさとし作品の中から受賞作を中心にご紹介する予定です。

越前市ふるさと絵本館 4月20日までの展示

2025年4月16日の読売新聞石川県版「北陸小旅行」で紹介されたかこさとしふるさと絵本館。(写真は記事掲載のものではなく、昨年の連休の様子です)

武生中央公園からごく近いところにあり、外にはこんな遊具もあります。
館内1階には、かこさとしの絵本がほぼ全て揃い、手にとってご覧いただけます(貸し出しはしていません)。
靴を脱いで入る、遊びの部屋には写真に撮りたいフィギュアもあって、いろいろなイベントが楽しめます。

2階には複製原画や資料が並び、貴重な映像も。火曜日が休館ですが、連休前後は以下のような休館日となります。

絵本館とかこさとしの世界感溢れる武生中央公園、そして4月21日のNHK福井「ニュースザウルスふくい」で紹介された墓所のある引接寺(いんじょうじ)は武生駅と絵本館の中ほどに位置しています。このお寺の幼稚園に幼い加古は通いました。その洋風の園舎は今でも幼稚園として使われています。

絵本館への旅をお楽しみください。

かこさとし生誕99年を祝うイベントが越前市ふるさと絵本館で開催されました。(上の写真はかこさとしふるさと絵本館提供)

こどもさんたちが「だるまちゃん」や「からすのパンやさん」の塗り絵を楽しみ、その画像がデジタルアートとして天井や壁面に写し出されました。

また、同時に床に映されたケンパを踏むとデジタル花火が打ち上がり、お祝いムード全開。賑やかな記念イベントとなりました。

その様子が写真と共に2025年3月30日の福井新聞で報じられました。

福井新聞 絵本館 かこさん生誕99年

2024年4月末に越前市ふるさと絵本館11周年を祝うイベントが開催されました。新幹線福井延伸を記念し展示テーマとも関係する『たっくんひろちゃんのちょうちょうとっきゅう』の劇を園児さんたちが上演しました。

絵本館11周年 『たっくんひろちゃんのちょうちょうとっきゅう』

新幹線延伸で賑わう越前市ふるさと絵本館では新たなテーマ展示:【みんな大好き!「電車」や「列車」】が始まりました。

『たっくんひろちゃんのちょうちょうとっきゅう』や『しんかんせんでもどんかんせんでも』など、電車好きの皆様、必見。『出発進行!里山トロッコ列車』の資料もたっぷりです。かこさとしの可愛い絵が大好きな方も是非お越しください。

4月27日午前中は『たっくんひろちゃんのちょうちょうとっきゅう』を幼稚園児さんたちが上演、28日午前中には鈴木万里によるギャラリートーク、午後にも楽しいイベントが続きます。

『からすのパンやさん』刊行50周年、つつぎのお話10周年の2023年度の最後を飾る楽しくて、たくさんのからすさんに会える展示が始まります。

お馴染みの絵もあれば、こんなところにもからす?ときっと驚かれるような場面もありますし、初めてご覧になる「からすさん」がいるかもしれません。

少しだけご紹介しましょう。

11月から期間限定でオンでマンド出版が始まった『コチコチやまのとこやさん』(1984年偕成社)の表紙にもからすがいます。 

同じくオンデマンドで復刊された『こぶた四ひきチンチロリン』(1986年偕成社)ではチンチロリンちゃんたちの名付け親の牛のおじさんが面白いお話をしてくれますが、その中にからすが登場します。

ドイツの「黒い森」を舞台にしたお話『まほうのもりのブチブル・ベンベ』(1986年偕成社)の第一場面、「黒い森」をよーく見るとからすが一羽、二羽⋯。さらにお話が進むと奇妙なからすも登場します。

そうそう、『からすのパンやさん』お気に入りのパン投票もあります!
ぜひお越しください。2024年3月25日までです。

絵本館は年末年始(12月28日から1月4日)、火曜日、国民の祝日の翌平日が休館になります。

「紫式部のまち 越前市」ルポ 下

国民的な文化の担い手を送り出す風土

かこさとしの生まれ故郷、福井県越前市にある「かこさとし ふるさと絵本館」の紹介です。

絵本館は2013年開館、今年の4月に10周年を迎えました。加古の絵本をお読みいただくことができ、常時作品の複製原画を展示しています。

2023年11月27日(月)までは「だるまちゃん大集合」をテーマにシリーズに登場するさまざまな「だるまちゃん」を展示。

毎週火曜日は休館、国民の祝日の翌平日は休館、11月29、30日は展示替えのため臨時休館です。

2023年12月1日(金)からは新展示「からすさん大集合」が始まります。ご期待ください。

美術展ナビ 越前市ふるさと絵本館