お知らせ

今年の鯉のぼりを今までとは、随分違った気持ちで見ている自分に気づきます。健やかな成長を願う気持ちがひしひしと伝わってきます。

鯉のぼりはそもそも中国から伝わってきたもので「5月は悪月なので、邪気やけがれをのぞくため、薬草をとり、ヨモギやショウブを軒につるす」ということであったと『こどもの行事 しぜんと生活 5がつのまき』(2012年小峰書店)のあとがきに「5月は祝月?悪月?」と題して説明があり、次のように続きます。(本文は縦書き、全ての漢字にふりがながあります)

(引用はじめ)
5月は田の神さまのまもってもらうため、たかい棒の先にスギの葉をつけ、田植えの目印にしていました。
(中略)
ちまきなどの食べ物も、薬草の類で、その由来は屈原の死をいたむ、かなしい伝統ですから、5月は健康にいっそう注意するようにしましょう。
(引用おわり)

とあります。

屈原(くつげん)については本文【ちまき】の項に詳しいのですが、なぜ5月5日にちまきを食べることになったのかということと関係していますので一部ご紹介します。

(引用はじめ)
中国の楚の国の屈原という大臣が、国をよくしようといろいろの努力をしたけれどみとめられず、汨羅(べきら)という川に身をなげてなくなった日でもあります。
その死をいたみ、ちまきを川に備えたことから、この日に草の葉につつんだもちやだんごをかざり、おさがりをたべるようになりました。
(引用おわり)

巻末の歴史年表でも「屈原の死は紀元前300年ものむかしの楚の国のことですから、ながいながい歴史をのりこえてきたことがわかります。」と書かれています。

今、目の前のことで精一杯の状況ですが、人間の長い歴史をこのような形で振り返る視点も大切だと気付かされます。
以下では、この本の紹介をしています。

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