お知らせ

文・松岡享子氏 2021年秋の文化功労者に

『とこちゃんはどこ』の「とこちゃん」はこの赤い帽子の子です。かこさとしの絵でおなじみのこの本ですが、文章はかこではなく、この度文化功労者に選ばれた松岡享子氏です。

この本が出版されたのは、今から遡ること半世紀以上前のこと、たくさん描かれている画面の中から「とこちゃん」を探すという絵本は、いわば先駆け的なものでした。その後、主人公や何かを画面から探す絵本が日本でも海外でも多く作られ人気を得るようになりました。

1970年に「こどものとも169号」として出版された時の折り込み付録の薄い冊子(上)には執筆者紹介があり、若き日の松岡氏とかこの顔写真も目にすることができます。

その冊子に松岡氏は「見るたのしさ 見つけるたのしさ」と題して寄稿されています。一部をご紹介します。

(引用はじめ)
とこちゃんをさがすたのしさが、第一ですが、とこちゃんが見つかったあとでも、みることろはたくさんあるはずです。加古さんが、そのように、絵をかいてくださいましたから。あまり先を急がず、それぞれの場面で、たっぷり時間をかけて、道草をくい、あれこれながめて、あそんでくださればと思います。
(引用おわり)
(冊子の文は縦書きです)

どうか皆様も、道草しながら『とこちゃんはどこ』をお楽しみください。

松岡先生、おめでとうございます。