お知らせ

福井県越前市のふるさと絵本館2階では展示替えを行い、2018年11月15日から2019年3月17日まで『かこさとし・むかしばなしの本 でんせつでんがらでんえもん』の全場面を展示しています。この物語の主人公は欲深い、でんえもん。強欲な人というのは昔話でもよく出てきますが、加古の描く欲張りでんえもんの表情の微妙な変化とどこからやってきたのか不明の謎の老人の鋭い眼光など、だるまちゃんやからすのシリーズ作品とは異なる絵のタッチは必見です。

帯には、加古のあとがきの言葉から引用してこうあります。
「自己に対しては、強いおそれとつつしみを抱き、そして、社会の歪みや制度の悪に敢然と立ち向ってほしいというのが、この物語に託した願いです。 かこさとし」
(あとがき全文は、当サイト「あとがきから」コーナーで2017年6月16日に紹介していますのでご参照いただければ幸いです。)

加古は20代の頃から全国各地に伝わる民話に興味を持ち研究していました。むかしばなしの本は5冊シリーズで、絵本館での展示は『かいぞくがぼがぼまる』『てんぐとかっぱとかみなりどん』に続き3作目となります。88歳の米寿を記念して全国の図書館に寄贈した絵本『矢村のヤ助』も若い頃に創作し、川崎セツルメントで子どもたちに語り聞かせてた作品です。

今回の展示では、絵本館にほど近く加古の墓所がある引接寺(いんじょうじ)の石仏にまつわる昔話もご紹介しています。冬の炉端で語られることが多かった昔話には、人々がお話しを通して子や孫に伝えたかった大切な思いが込められています。今に生きる私たちにとってもそれは貴重なものであることに違いないはずです。

2018年11月30日深夜23時15分から始まるNHKラジオ「ママ☆深夜便」。翌日12月1日午前1時台で杉浦太陽さんによる朗読『だるまちゃんとてんぐちゃん』をお楽しみ下さい。アンカーは村上里和さん。番組に関しては以下をどうぞ。

http://www.nhk.or.jp/radio-blog/bangumi/mihonichi/309756.html

「子供に伝える」それが私の使命

戦争体験への悔い創作へ執念

https://mainichi.jp/articles/20181127/k00/00e/040/258000c

ウェブではすでに以下で報じられています。

https://mainichi.jp/articles/20181121/mog/00m/040/005000c

写真特集がついている記事は以下です。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181121-00000001-maiall-soci

絵本を楽しむ 絵本で楽しむ 絵本が楽しい

かこさとしの代表作を取り上げその特徴と魅力を紹介。『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店)のうちわや帽子、『からすのパンやさん』(偕成社)のいろいろな形のパン、『とこちゃんはどこ』(福音館書店)の人混みの中からとこちゃんを探す場面など詳しく描かれた絵本のページについて述べる。また『たべものえほんシリーズ』(農文協)を例に、テーマを子どもにわかりやすく描く点は、科学絵本『海』『地球』『宇宙 』『人間』(いずれも福音館書店)にも通じ大人でも楽しめると解説。