編集室より

1971年童心社より出版され2013年に復刊ドットコムより復刊されたこの本は、お正月のお供えや門松のいろいろ、羽根つきのわらべうたや初夢、かるた遊びに竹馬といった具合に、各月の行事や自然を楽しむヒントが満載です。

12月の最後には、年賀状作りのこんなページもあり、〈年越し〉でおしまいとなります。ご活用ください。

あとがきをご紹介します。

(引用はじめ)
私たちの住む日本は、たいへん幸福なことに春夏秋冬のちがいが、ひじょうにはっきりとしています。しかも地図をみるまでもなく、北太平洋のなかに、東北から南西に細長くのびた島国ですので、四季のうつりかわりのほかに、地理的な多くの変化と様相を同時にもっていることとなります。

こうした地理・気象などの条件のなかで生活してきた私たちの祖先は多様な風習や文化をうみだしてきました。

子どもたちのあそびは、当然、これら日本の風土の影響をつよくうけ色こくいろどられ、たくみにいかしあい、とけあって伝えられてきました。日本の子どものあそびを考えるとき、こうした日本の季節や地理、風俗習慣をぬきにすることはできません。

しかも子どもたちは、決して一部の学者のようにそれを静的な死んだ文献として固定してしまうのではなく、おもしろい、たのしい、よいものをのばす、つまらぬものをどんどんすてさる創造と選択を、たえずいきいきと流動的におこなっているのです。

この本はそうした、たくましい日本の子どもたちとともに、うたい、生活し、さわやかな未来にむかって進んでいく「あそび」」の歳時記にしたいーーーというのが、ささやかなわたしのねがいです。
(引用おわり)