編集室より

かこさとしあそびの本シリーズ5冊のご紹介も本作「しらない ふしぎな あそび」(2013年復刊ドットコム)で最後です。
2000年前からあるギリシャの石けりからはじまり、この本には、ペルーのじんとり、世界中にある竹うまやけんだまあそびなど、しらないあそびやふしぎな錯覚あそびなどが満載です。何百年も前にインドで考えられたというあそびやヒンズーのすごろくは、きっと大人でも見たこと、聞いたことがないことでしょう。

前扉(下の写真)には次のように書かれています。
(引用はじめ)
がいこくには めずらしい しらないあそびがたくさんあります。にっぽんにも ふるくからつたわる ふしぎなあそびがいろいろあります。 これはそうした せかいとにっぽんをつなぐ、あそびの本です。
(引用おわり)

あとがき

あとがきを記します。
(引用はじめ)
この遊びの本も、ようやく最終巻を見ていただけるようになりました。おさめられたあそびの数は、数え魔の下の娘の計算によると、第1巻 89 第2巻99 第3巻102 第4巻127となっていますので、この最終巻156を加えると総計573種ということになります。今まで子どもの遊戯やあそびをまとめた本は、けっして少ないわけではありませんでした。しかし私はこの5冊の本で
1)主人公である子どもの心と考え
2)まわりをとりかこむ条件やふいんき
3)健康で進歩的で発展的な内容
を、特に大事な軸としました。私の知っている限り、上の3つの点を全部配慮してある本は見当たらなかったように考えたからです。

子どもたちは遊ぶことが大すきですが、けっしてあそんでだけいるものではありません。しかも、正常であればあるほど、あそびは子どもたちの生活と色濃く結びついています。

ですからまったく子どもたちの生活の他の部分をぬきにしたり、無視して、あそびだけをきり離して論じたり、解説する「静的」な取り扱い方をわたしはしませんでした。よくお正月などに放送されるわらべうたや手まりうたが、声はきれいだが、ちっとも面白くないーーーすっかり生き生きした子どもらしさが消えさってしまっているーーーのをおそれたためであります。

したがって、このほんの内容をできるだけ生きた形でつかまえ「動的」に応用しながら、家庭や校庭でいかしていただきたいというのがわたしの願いです。

さいごまでよんでいただいた皆様と、わたしのこの5冊をまとめるのに、生きた資料をわたしに教え、考え、はげましてくれた全国の子どもたちにつきぬお礼をおくらせていただきます。では、お元気で さようなら。
(引用おわり)