むし歯予防
むし歯は今から半世紀ほど前には子どもの大問題でした。
(1928年から1938年までは6月4日はむし歯予防デーとよんでいましたが、現在では6月4日から10日を「歯の健康週間」としているそうです。)
そこで生まれたのが以下のような絵本や紙芝居です。
「はははのはなし」(1970年 福音館書店)
「むしばミュータンスのぼうけん」(1976年童心社)
「むしばちゃんなかよしだあれ」(1976年而至歯科工業・1980年フレーベル館)
「6がつ6ちゃんはっはっは」(1978年童心社・紙芝居)
「ぼくのハはもうおとな」(1980年フレーベル館)
「むしばになったらどうしよう」(1981年フレーベル館)
この問題の深刻さをうかがえるようなあとがきが、「むしばミュータンスのぼうけん」にありますので、ご紹介します。
(引用はじめ)
現在、日本の子どもは、98%がむしばにかかり、平均9本のむしばを持っているという事実は、驚きと悲しみと怒りを私に与えます。
砂糖業者や菓子メーカーやテレビのコマーシャルや、なおしてくれぬ歯科医がわるいという声もききます。
確かに、それにも問題がありますが、こんなにも多くのむしば子にしてしまった兇悪無残な犯人は、極悪非道な悪者はーーーまぎれもなく大人、特にその子の親だということです。
文字どおり「甘やかし」、「アメをなめさせた」方々に反省を求めつつ、この本をおくります。私は、ひじょうに残念な気持ちでいっぱいなのです。
(引用おわり)
このあとがきが記されて40年を経た現在、子どもたちの口内の状況はどうなっているのでしょうか。
下は「むしばちゃんのなかよしだあれ」の前扉
その「むしばちゃんのなかよし だあれ」のあとがきもご紹介します。これは小さい読者のために全部ひらがなで書かれています。
(引用はじめ)
この ほんは にっぽんじゅうの こども みんなが むしばのない つよい からだの かしこいこになってほしいと おもって かいたものです。 なかに むずかしい ことばがあったら おうちの ひとや おとなの ひとに おしえてもらってくださいね。 かこ・さとし
(引用おわり)