編集室より

2020/10/31

あやとり

木枯らしが吹く頃、誰ともなくあやとりを始めるのが筆者が小学校の頃の女の子たちでした。毛糸の輪を首から下げたりポケットに入れておき、お休み時間に遊ぶのです。

その指の感覚が今でも記憶にあって、いざ始めてみると。。。おやおや、思っていたほど指の動きがなめらかではありません。こんなはずじゃなかったのに、これが現実です。

指を動かすことは脳にも良いと聞きますので、気を取り直して再挑戦。そんな時に役立つのが『かわいいみんなのあそび』(2013年復刊ドットコム・上)です。それぞれの形に名前があって、橋や鼓、川、はしごもありました。

同じシリーズの『しらないふしぎなあそび』(2013年復刊ドットコム・下)ではニューギニアのあやとりも描かれています。

一人あやとりも紹介しているのが『日本の子どもの遊び読本』(2016年福音館書店)です。この本では7つの章に分け、草や木の実のあそび、紙をつかうあそび、工作、絵や形をかくあそび、野はらや広場でのあそびの他に手やゆびのあそび、そしてあやとりが登場。
だるまちゃんもやまんめちゃんと遊んでいます。

そこには次のような、かこの言葉があります。

(引用はじめ)
すべりのよいひもか、太めの毛糸をむすんで、両手を広げた長さのひもを輪にしたものを、指で取り合ったり、からげたりする「あやとり」は手から手へ伝えられてきた、すばらしいあそびの宝です。

図や文字で伝えようとすると、ふくざつでむずかしそうですが、いちど覚えてしまうと、3歳くらいの子でも1人でできるものもありますから、どうぞゆっくり楽しんでください。
(引用おわり)

冒頭の絵は『日本伝承遊び読本』(1967年福音館書店)の表紙です。こんな風に昔は手から手へ、人から人へ伝えて覚えたものです。

『てとてとゆびと』(1977年童心社・上)にも子どもがあやとりをする絵があります。この本は遊びを紹介するのではなく、体ついて小さなお子さんの理解を助ける科学絵本です。

その一場面には下のように、全部手偏のつく漢字が並んでいます。これだけ手でする動作がたくさんあるとは驚きです。人間にとって手指を動かすことは大脳の働きと対応し大切なものであることを知って欲しいというのが著者の意図するところです。

昭和時代の雪国の生活を描いた『ゆきのひ』(1966年福音館書店)に、あやとりをする子供、発見!
ゆきおろしのかたわらで、女の子があやとりをしています。皆さんもいかがですか?