編集室より

午前9:00〜9:29

『だるまちゃんとてんぐちゃん』(1967年福音館書店)の朗読が上記の予定で放送されます。お時間ありましたらどうぞお聞きください。

近年出版された本には「作者のことば」があとがきとして記されています。ご紹介いたします。

あとがき

(引用はじめ)
いわゆる無国籍の児童文化が多かった戦後の時代、そういう時だからこそ日本的な、民族性に富んだものを作りたいと思い、親しんでいた郷土玩具のキャラクターから題材を選ぶことにしました。

こうしてだるまちゃんの本は、古代南インド香至(こうじ)国の第三王子で、中国の嵩山岩窟で九年間座禅を組んだ高僧達磨ですが、日本に伝わると、その不屈黙思の精神が感動を呼び、親しみあるひげの顔と赤橙色の丸い僧衣の日本的な姿と心となって多くの玩具となりました。その幼児形で現今日本の子供たちの代表となってもらいました。

天狗はインドでは半人半鳥神人、中国では翼嘴の怪獣とされ、日本では深山の精霊と伝え、全国の高山の白髪長鼻赤顔の僧服の大天狗と従者の烏天狗として伝承されてきましたまた。この日本の天狗の幼児型を、いばりん坊でかわいいてんぐちゃんにして、だるまちゃんの友達になってもらった訳です。
(引用おわり)